中国の南西部にあるチベットはヒマラヤ山脈を抱えており、世界に屋根と言われています。だから、空気は澄んでいて、どんな素人が写真を撮ってもきれいに写ります。

　ポタラ宮のあるチベット自治区の首都は拉薩（ラサ）。人口は１７万人ちチベット族と漢族の比率は半分ずつ（改革、開放政策前は９：１）。漢族は主に観光やビジネスで活躍している。ポタラ宮とチベットは、長い歴史と輝かしい文化を持っています。

　ポタラ宮は1994年に「世界文化遺産」に登録された、チベット仏教の歴代教ダライラマの生活する宮殿です。ポタラ宮のあるラサは海抜3,620ｍのところにありますが、ポタラ宮は122ｍの高さで木造の13階建てですので、屋上は富士山より高くなります。だから、富士山の上々にこの宮殿が聳えているといえます。いや、木造というよりは、「木と土と石」で作ったという言い方が正しいです。

　最初のポタラ宮は、「チベット吐藩王朝」のソンツェンガンポという王様7世紀に、ラサの紅山という山にこの宮殿を建立したとされています。17世紀ごろに当時のラマ五世が、大改築をしてほぼ今日のポタラ宮が完成しました。

　入場料100元（約1500円）を払ってナナに入ると、長い歴史と宗教的雰囲気や厳かさが漂い、「襟を正す」という感じになました。宮殿は建物全体が三つに分けられ、東の「白宮」はダライラマの居住空間、つまり生活する場所で、真ん中には、「紅宮」があり、歴代のダライラマのミイラで保存されています。そして、西側には、ダライラマに仕えるお坊さんの「僧坊」があります。内部はすべて撮影禁止となっています。

　 チベット仏教（ラマ教）の修行はもっとも厳しいことで知られています。それは「五体倒地」と言って、身体全体を土地に着けて腹這いになり、祈りを捧げますます。これは、世界の宗教の中で、一番敬虔な姿の祈りの姿だと思います。

　ポタラ宮の内部の紅宮には「霊塔殿」があって、そこには乾隆帝が贈った「桶蓮初地」の額や「錦織大型曼荼羅」、歴代ダライラマの金の彫像、金剛佛、立体曼荼羅など、参観者を飽きさせない雅やかな文物が鎮座していました。また、夜間には、午後9時から翌朝の3時までライトアップされたポタラ宮が漆黒の闇に照らされ幻想かつ荘厳な威容が見られます。