このごろ、中国では(1)「片児医」という新しい言葉ができました。「片児」は「片+アル化音」の形で、この「片」は「地区内の一角」の意味で、今の(2)コミュニティを指すことになります。このことから、「片児医」は、「コミュニティの医者」の意味として使われ、コミュニティの住民の健康を管理しています。
「片児」がつけられた職業には、今までは、地区内の一角を担当する警察を指す「片児警」があります。警察の末端的な存在で、治安のほか、(3)窃盗の取締、夫婦喧嘩を含めた家庭問題の調停、戸籍の管理など、市民の暮らしを細かく管理しています。このことから、「片児警」は市民に親しまれています。
「片児医」はこの「片児警」の言葉を借りてできた言葉と言えます。その仕事の内容としては、コミュニティで、健康講座を開いたり、患者のために必要な専門家を紹介したりします。このほか、(4)慢性病のある患者や行動が不自由なお年寄り、身体障害者を訪ねたり、妊婦にアドバイスをしたりしています。また、血圧や 血糖値を測るなど、住民に細かいサービスを提供しています。さらに、(5)フルタイムで電話を受けつけるシステムを取っています。こういった「片児医」の積極的な動きは、新しいものです。
いままでは、市民は、病気の時、診察を受ける人々で混雑する病院へ行くか、それとも我慢するかと、診療が受けにくいことで悩んでいました。「片児医」によって、住民は、自宅で注射をしてもらえるほか、軽い病気の場合、病院まで行かないで済むことになります。普段の生活で、市民は、「片児警」のほか、もう一つの「片児医」という心強い頼りができました。
サービスを普段の生活に浸透させる「片児医」が、これから、中国人の生活に欠かせない言葉になることを楽しみにしています。 (文:朱丹陽)
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