アメリカのCNN電子版(でんしばん)によりますと、サウジアラビアのアブドラ国王の招きに応じ、アフガニスタン政府と旧支配勢力タリバンの代表が9月24日から27日までの4日間、イスラム教の聖地メッカで和平協議を開きました。
協議にはアフガン政府高官2人、タリバン幹部11人、軍閥ハクマティヤールの代表1人が参加しました。
タリバンの最高指導者オマル師は協議に出席しなかったものの、「ビンラディン氏が率いる国際テロ組織アルカイダとの盟友関係は断絶した」との立場を初めて表明しました。
協議は公開され、関係者は自らの立場や目標を率直に話し合い、武力ではなく対話により和平を実現することで認識が一致しました。
次回の協議は同じくサウジで開催される予定です。
アフガニスタンのカルザイ大統領は9月30日の記者会見で、「治安の実現に向け、サウジアラビア政府の仲介でタリバン勢力と協議することを期待している」と述べました。
アメリカ国務省のウッド副報道官は今月7日、「タリバン勢力は武装を解除し、アフガン憲法を承認しなければならない」との前提条件を強調した上で、アフガン政府とタリバンの協議を支持する立場を表明しました。
アフガン戦争が終結して7年になりますが、治安情勢はむしろ悪化しつつあります。
タリバンが勢力を回復し、国際治安支援部隊への武力攻撃が頻繁になり、NATO軍とアメリカ軍の死傷者数は急増しています。
統合参謀本部のマレン議長を含め、アメリカ軍指導層では「対テロ戦争は単なる軍事力では勝利できない」との見解が主流となっています。
アフガンのワルダク国防相も5日「軍事手段ではアフガン問題は解決できず、政治的、経済的な措置が必要だ」と強調しました。
サウジアラビアはイスラム教スンニ派の大国としてタリバンに大きな影響力を持ち、1990年代にタリバン政権を承認しました。
一部の報道によりますと、サウジアラビア政府はアフガン和平協議の実施に向け、2年前から水面下で交渉を進めてきたということですが、それ以前からはパキスタンのイスラム教徒連盟シャリフ派が仲介役を担ってきました。
一方、タリバンは協議に対し、冷静を保っています。
タリバンのパキスタン駐在大使を務めたザイーフ氏は「サウジで政府、軍閥の代表とともに、断食月(だんじきげつ)明けの祭典に参加したが、アフガン情勢については論議しなかった」と述べました。
また、タリバンのアフマディ報道官は6日、アフガン政府とのいかなる協議も拒否する考えを示しました。
(ジョウ)
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