中国の温家宝首相は24日、ニューヨークの国連本部で開かれている第63回国連総会の一般討論で演説を行い、中国の平和発展について説明しました。
第63回国連総会の一般討論は23日から始まり、国連加盟192カ国の代表が関心を持つ国際問題について所信表明を行っています。中国の温家宝首相は24日、「改革開放と平和発展の堅持」をテーマとした演説を行いました。温首相は冒頭、四川大地震と北京五輪で国際社会から支援や支持が寄せられたことに感謝の意を表した上で、国際社会が関心を寄せる、五輪後の中国が政治的、経済的にどんな方向へ進むのかという点について「中国は今後も、平和的な発展と改革開放路線を堅持し、自主独立の平和的な外交政策を続けていく」と述べました。
温首相は、中国の現状について「1人あたりの平均所得水準は世界で100位以下になっている。都市と農村の発展が不均衡で、農村部とくに西部地域の農村はまだまだ立ち遅れており、全国でおよそ1000万人が居住環境や食糧が確保されていない状態である。したがって、中国は依然として発展途上国であり、生産力が不十分な上、資源やエネルギー、環境などが限りあることから、近代化を実現するための道のりはまだまだ長い」と述べました。
その上で温家宝首相は、中国の発展の経験を世界各国とくに発展途上国と分かち合う用意があるとして、改革開放政策について次のように語りました。
「中国の発展は、改革開放のおかげだ。改革開放は、中国の現在だけでなく、将来も決める重要な政策である。中国人は、この政策を30年間にわたって実施してきたが、この中で多くの経験をした。経済や政治体制の改革を絶えず推進していけば、経済と社会の発展を進める原動力が生まれてくる。また、対外開放を拡大していくことこそ、強国と繁栄を実現する正しい道となる。これらは、全て改革開放を実施して得た経験である」
温首相はまた、中国の外交政策について「イデオロギーや政治体制でなく、平等と相互利益に基づいて全ての国と友好関係を発展させる用意がある」と述べた上で、国際問題における立場を表明しました。
「国際問題について我々は、事実そのものに基づいて独立して判断をし、国の利益と世界各国国民の幸せに基づいて立場を決める。どちらかに盲目的に従うこともせず、いかなる勢力に屈服することもしない。国際関係では連盟を組んだり国際組織で指導権を求めたりすることもしない。また現在も将来も覇を称えることはない。中国は、自らの発展によって世界の平和や発展を促していく」
さらに、世界各国が金融、エネルギー、食糧の3つの課題に直面している問題について温首相は、「中国は責任を持って、国際社会と協力して問題の解決に取り組みたい」と述べました。(翻訳:鵬)
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