日本政府の招きを受け、中国の胡錦涛国家主席が明後日の6日から10日にかけて日本を公式訪問します。これは中国の元首の10年ぶりの訪日となります。4日、胡主席は北京で日本記者団の共同取材に答え、「今回の日本訪問は暖春の旅であり、この訪問を通して中日双方の戦略的互恵関係を一層強めたい」と語りました。
「今回の私の訪問は春うららかで花咲く季節に当たり、暖春の旅と言えよう。私は中日両国国民の友情が暖かい春のようで、いつまでも存続することを心から願っている。」
取材の始めに、胡主席はまず日本のメディアに対して、「私の日本国民に対する誠意のこもった挨拶と祝福を伝えてほしい」と笑顔で語り、今回の訪日を「暖春の旅」だと語りました。
今年は中日和平友好条約締結30周年に当たります。胡主席は取材に答えて、過去30年の中日関係の発展は、両国国民に具体的な利益をもたらすと共に、いままでアジア、そして世界の平和と繁栄のために大変貢献してきたと積極的に評価しました。
「すでに事実が証明しているように、長期的に安定した中日善隣友好関係を発展させることは、両国と両国国民の根本的利益と合致する。私の今回の訪日の目的は、相互の信頼と友好を深め、一層の協力をし、未来を描き、中日の戦略的互恵関係を発展させることにある。」
胡主席は、両国国民の支持と支援が中日友好を発展させるための基礎だと強調し、記者団に対して、1984年、訪中した3000人の日本の青少年を自ら出迎えたこと、1985年に、中国の青年代表団を率いて訪日したこと、そして、1998年に訪日して多くの日本の友人と交流したことを語りました。胡主席はいままでたくさんの日本人の友人と知り合い、その中には政治家、実業家、芸術家などもいたことを述べ、これらの交流を通して日本の人々に対する理解を深めること出来たと記者団に話しました。
「私は彼らとの接触を通して、日本人の情熱、友好、勤勉、知恵および粘り強い精神に深い印象を受けた。そして、私は日本国民も中国国民と同じように、両国の友好を切実に願っていると感じた。今回の訪日を通して、旧友に会うとともに、新しい友達も増やしたい。」
国の関係発展において、一部で問題が生じることは避けられず、中日関係においてもこれは同じことです。これに関して、胡錦涛国家主席は、「異なった見方があるのは正常なことで、大事なのは矛盾や問題をいかに処理するかだ」と述べました。
「率直で、誠意のある態度で向き合い、友好的に交流して、小異を残して、大同につくこと。それにより、両国国民の友好をともに推進し、両国関係の発展という大局をともに維持していくことが重要である。」
日本側がたいへん注目している東中国海のガス田共同開発問題に対して、胡錦涛主席は、「中国側もこれを極めて重視している。両国の外交部門は、両国指導者の合意した共通認識に基づいて協議をし、積極的な進展を遂げた。中国側は、双方の共通の努力により、相互に受け入れられる解決案を見出し、適切に問題を解決できると信じている」と述べました。
また、中国産冷凍餃子が引き起こした騒ぎについて、胡錦涛主席は中国政府が食品安全を極めて重視することを強調しただけでなく、日本側と食品安全に関わる長期的で、効果のあるメカニズムを構築することを再度提案して、次のように語りました。
「調査では、中日の関係部門はすでに日本の関係部門と十分な意見交換をした。私たちも食品安全の長期的メカニズムの問題で日本側と協議と協力をしたい。真相をいち早く突き止めるため、双方が引き続き調査と協力を強化してほしい。」
ところで、1990年代、中国から上野動物園に渡り、日本国民から幅広く愛されたパンダのリンリンが数日前、死にました。このため、日本政府と民間団体は、中国側にパンダ一組を贈ってもらうことを希望しています。これに対して、胡錦涛主席は日本国民の願いを十分に理解し、福田首相もこのことに注目していることを留意していると語り、「中国の関連部門が現在、積極的に検討している最中だ」と話しました。
40分近くにわたった取材の中で、胡錦涛主席はこの他、北京オリンピック、チベット問題および7月に日本で開催される予定のG8サミットと発展途上国指導者との対話などをめぐり、記者のインタビューに答えました。
胡錦涛主席は今回の訪日の成功に自信を示し、「天皇陛下と会見し、福田康夫首相と二国間関係や共に関心の寄せる問題に対して、突っ込んだ意見交換する他、日本各界の人々と幅広く触れ合うことを期待する。双方の共同の努力により、今回の訪問は必ず予期した成果を収めることができる」と期待を示しました。(翻訳:黄、Yan)
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