パキスタンの首都イスラマバードから南に約30キロのところにあるラワルピンディでは25日、自動車自爆攻撃が発生し、一人の軍医中将を含む8人が死亡し、12人が負傷しました。これはパキスタン総選挙後発生した最も重大な自爆テロ事件であり、人々に注目されています。
9・11同時多発テロ事件の後、パキスタンは一躍テロ取締りの前線に立ち、テロ取締りは内外政策で重要な地位を占めています。パキスタン人民党は国民議会選挙で勝利した後、議会の第一党となり、その他の党派と連立内閣について検討しています。人民党が執政後、パキスタンの内外政策はある程度変化しており、テロ取締りでどのような政策を取るかが注目されています。
人民党が選挙で勝利した後、国内の過激派は積極的なシグナルを出しました。パキスタンタリバン運動の報道官は24日人民党との対話を求め、「タリバン運動は人民党が選挙で勝利したことを歓迎し、西北部落地区の平和回復について人民党と対話するつもりだ」と述べた上、新政府がムシャラフ大統領のテロ取締り政策を放棄するよう促した一方、新政府がムシャラフ大統領の政策を引き続き実施すれば、より多くのテロ攻撃を発動すると脅かしました。タリバン運動はパキスタン国内のテロ組織であり、現政府とアメリカは、リーダーのメフスード氏がブット元首相を暗殺した示唆者だと見ています。
タリバン運動の柔軟な態度に対し、人民党のザルダリ議長は素早く「人民党の率いる新政府は部落地区の民衆に近づき、民主と政治改革を行っていく。しかし、如何なる過激派とも対話することは出来ない」と述べました。
9・11テロ以来、パキスタンはアメリカにとってテロ反対の重要な同盟国となりました。パキスタン人民党が総選挙で勝利した後、アメリカ政府と議会は多くの説得者をパキスタンに派遣し、パキスタン新政府がテロ取り締まり問題でアメリカと引き続き協力することを希望しました。ザルダリ議長は25日、「新政府はテロ取り締まり問題でアメリカと協力していく。しかし、パキスタンのテロ取締りは自国のテロ反対戦争であり、アメリカのテロ反対戦争ではない」と述べました。このほか、人民党は24日、バルチスタン州での軍事行動を停止するようパキスタン政府軍に呼びかけました。バルチスタン州にはアルカイダ組織「タリバン」勢力が身を隠しているとアメリカは見ています。
パキスタンはテロ取締りで新しい動きを見せました。多くの人々はパキスタンのテロ反対戦争への参加に反対する態度を示しました。最近の世論調査では、73%のパキスタン国民がパキスタン過激勢力は重大な問題だと見ています。しかし、89%の人々はパキスタン政府がテロ反対でアメリカと協力することに反対していることが分かりました。このことは人民党執政後のテロ反対政策に直接影響を与えると見られています。(董)
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