スペインの全国管区裁判所は10月31日、2004年3月11日にマドリードで発生した列車同時爆破テロの被告28人に対する最終公判を行いました。
裁判所には報道機関および犠牲者の家族、負傷者とその家族など合わせて数千人が集まりました。
公判では爆破を実行したと断定されたモロッコ人被告2人に禁固4万2924年と4万2922年、爆薬を提供したスペイン人被告に禁固3万8976年の実刑判決を言い渡しました。
残り25人被告のうち、18人はそれぞれ3年から23年までの禁固刑が言い渡され、7人が無罪となっています。
2004年3月11日の朝、マドリード郊外から市内に向かう4本の通勤列車に仕掛けられた爆弾が次々に爆発し、191人が死亡、1800人以上の負傷者が出ました。
これはスペイン史上最悪のテロ攻撃となり、スペインの"9・11事件"と呼ばれています。
スペインは2004年6月から多国間協力を展開して、計画、準備、実行など爆破に関与した容疑者29人の身柄を拘束し、真相究明のためおよそ3年にわたる取調べを行ってきました。
現行のスペイン刑法には死刑や終身刑が無く、テロ犯罪では40年の禁固刑が最高刑となっています。
主犯格のモロッコ人シャマル・ゾウガムについては、死者1人につき禁固30年、負傷者1人につき18年、またテロ計画1件につき15年、テロ攻撃への参加で1件につき12年などすべて累計されて4万2922年の禁固となりました。
公判後の記者会見でサパテロ首相は「真相を究明し、正義を表し、被害者家族を慰め、国民の権益を保護した」と述べ、事件審理の効率性と透明性を高く評価しました。
スペインの国内メディアは公判を生中継し、国民はメディアのウェブサイトを通じ、裁判の結果を支持すると共に、テロ撲滅への思いを表しました。
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