競泳の五輪テスト大会「中国オープン」4日目、午前10時から、男女自由形と平泳ぎの各種目が行われました。
このうち、女子100m平泳ぎでは、中国期待の斉暉(チー・フイ)が1:09:24で優勝。地元の大声援に応えました。斉暉はスタートからレースを引っ張り、トップで折り返し。その後も、快調に泳いで、1位フィニッシュしました。
斉暉は、試合後、『今シーズン最初の"本当のレース"』と会心の試合を振り返りました。北京五輪の金メダルが期待される斉暉は、この大会をバネに3月の五輪選考大会に臨みます。なお同レースに出場した日本第1人者の種田恵は1:10:93で6位。日本3位の田村菜々香は1:10:54で4位に終わりました。
また同じく中国期待の張琳(ジャン・リン)が男子1500m自由形の決勝に出場。最初の50mで飛び出した張は、一度も抜かれることなく、コース30往復を泳ぎ切り、15:05:57で優勝を果たしました。
今日は、今大会、中国から出場している二人の主力選手がいずれも、しっかりと結果を出した決勝といえるでしょう。
さて、いよいよ後半に突入した競泳『中国オープン』。チケットは、夜の分が2月1日、午前中の分が2日にそれぞれ『売り切れた』という報道がありました。新築の国家水泳センターを一度、見てみたい・・という北京市民の期待の表れ、といえると思いますが、夜の予選分が先に完売し、午前中の決勝チケットが1日遅れて完売した、というのも、面白い現象です。
一般的には、決勝のほうが断然、見ていて面白いし、見る価値も高いのはいうまでもないこと。でも、予選のほうが先に売り切れたというのは、一つは、『夜の国家水泳センター』を見たいという思いもあるでしょう。夜景にぼんやりと浮かぶブルーの照明に照らされた『水立方』は幻想的で、一見の価値があります。もちろん、遠くから眺めるなら、別に入場する必要はありませんが、やはり、そこに『入ってみたい』のは当然の思いだと思います。
ただもう一つ、『見る側』に、「やはり見所は夜」・・という固定観念があるのも確かではないでしょうか。『朝の決勝』はもちろん、世界のあらゆる競技の中でも、初の試みといってもいいもの。だから、『思わず』夜のチケットに手が出てしまうというのも、原因の一つのような気がします。もちろん、平日は働いている方にとって夜のほうがいいのは、当然ですが、週末もやはり、予選の夜のほうが観客の入りがいいようですから、『思わず』説のほうが説明がつくような気がします。
今大会、選手たちに投げかけられる質問も、ほとんどが『朝決勝』への対応・・です。朝起きてすぐにクライマックスを迎えるという、かつて体験したことのないタイムスケジュールに、いかに体を合わせるかが、北京五輪でのメダル獲得のポイントになるのは間違いありません。
そして同時に、見る側である観客のほうも『朝のクライマックス』に慣れなければならないのかも・・・。取材している私自身も、まだまだ、どうもしっくりこないのですが・・・。
|