中国の温家宝首相が、11日午前、韓国の首都・ソウルで、中国と韓国の経済貿易関係について演説を行いました。温家宝首相はその中で、両国の経済貿易分野における協力を一層強化することについて、4つの提案を行いました。また、経済貿易の更なる強化は両国国民の共同の願いだと強調しました。
今年は、中韓国交樹立15周年であり、中韓交流年でもあります。15年来、両国の友好関係は全面的な発展を遂げ、経済貿易も絶えず進展してきました。また、それによる利益も目に見えて上がっています。統計によりますと、2006年、中韓貿易額は1343億ドルに達しました。これは、国交樹立当初の27倍となり、互いに重要な貿易パートナーになっていることを表しています。世界のクローバル化のもとで、相手国との経済貿易協力を一層深めることは、両国政府や民間の共同の願いになっています。
温家宝首相は中韓両国の経済界関係者300人あまりの前で演説を行い、双方の努力によって、両国の経済貿易関係をより推進させることに期待を示した後、さらに、次のように述べました。
「経済貿易協力は中韓関係において重要であり、それを強化することは両国国民の共同の願いである。両国は地理的にも隣国で、交通も便利である。経済においても相互補完性があるので、中韓の経済貿易協力には有利な条件と巨大な潜在力がある。われわれは協力規模を拡大し、そのレベルを向上させる必要がある」。
また、温家宝首相は講演の中で、「中韓双方は貿易規模を拡大し、相互投資を促すとともに、科学技術分野での協力を強化し、自由貿易区の共同研究を推進すべきだ」として、次のように述べています。
「中国と韓国は引き続き貿易構造を改善していく必要がある。機械製品貿易が急速に成長している中、農産物やハイテク製品、サービス貿易を拡大すべきである。中国政府は韓国政府が貿易格差を是正するために努力したことを賞賛している。中国は市場を開放して、韓国からの輸入を増やすつもりである。一方、韓国も中国製品の韓国市場進出に便宜を与えるよう希望する。」
温家宝首相はこのよう述べた後さらに、「韓国企業の中国投資は一般製造業から農業、ハイテク産業、サービス業などの分野へ拡大している。これからは、加工製造だけでなく、研究開発、設計などへも広げていきたい」と希望をしめしました。
温家宝首相はまた講演の中で、中国は平和発展の道を歩むという立場を改めて強調し、「より繁栄し、開放された中国は世界各国、特に周辺諸国に巨大な発展のチャンスをもたらすだけではなく、世界平和と地域の平和を維持するためにより大きく寄与するだろう」と述べました。講演の最後では、今回の訪問を次のように総括しています。
「今回の訪問は短かったが、内容は非常に充実していた。私は、この訪問を通じて、両国の友好協力関係及び両国の経済貿易関係が推進され、両国国民の友情が一段と深まっていくことを確信する」と述べました。(翻訳者:朱丹陽、謝東、董燕華)
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