中国の温家宝首相は10日から13日まで韓国と日本を公式訪問しました。温首相の訪問に随行した中国の李肇星外相は記者のインタビューに答え、「温首相の今回の韓日訪問は、中国と二ヶ国との相互信頼を強化し、協力を深め、友好を増進した」と評価しました。

　温首相の今回の訪問は、中国の首相として七年ぶりの韓国と日本という重要な隣国に対する公式訪問で、両国政府と国民から熱烈な歓迎と厚いもてなしを受けました。温首相は訪問期間中に韓日両国の指導者と互いの関係を推進することについて踏み込んだ会談を行うと共に、両国の政党や、議会、工商、文化など各界の人々や友好団体と会見し、「中韓交流年」と「中日文化スポーツ交流年」などのイベントに出席し、日本で国会演説を行いました。

　李肇星外相は、今回の訪問は中国と二ヶ国との政治面での相互信頼を強め、二国間関係の健全かつ安定した発展を推し進めたと述べました。今年は中韓国交正常化15周年と「中韓交流年」という記念すべき年であり、訪問期間中、温首相と韓国指導者は両国の全面的協力パートナーシップの構築について合意しました。

　また、日本を訪問した際、日本の安倍晋三首相と中日の戦略的互恵関係を構築することの中身について重要な共通した認識を達成しました。去年10月、安倍首相の「氷を割る旅」は、中日関係が政治面での行き詰まりを打開したことを意味しており、温首相の今回の「氷を溶かす旅」は、中日指導者の相互訪問を実現し、両国関係に新たなスタートを切り開き、国民の中日関係への自信を強めることができました。

　李肇星外相は、また、「温家宝首相の訪問は、中韓、中日の経済貿易協力の発展を促した。省エネや環境保護、エネルギー、情報通信、ハイテク技術を協力の重要分野とする温首相の提案に、二ヶ国の政界と商工業界の関係者は積極的な反応を示している。また、温首相は韓国・日本工商業界が関心を示したところに対して、中国政府の企業所得税法、知的所有権保護及び中国の投資環境などに関する政策を説明した」と述べました。

　李肇星外相は、「温首相の訪問は中韓、中日の交流を拡大した」と語りました。訪問期間中、温首相はそれぞれ韓日の指導者と共同で「中韓交流年」開幕式や「中日文化スポーツ交流年」開幕式に出席し、文化交流が国民の間の友好を増進するきずなとなるよう期待しました。

　また、「温首相の今回の訪問は、中国側が韓、日と手を携えて、地域の平和と安定を維持する決心を示した」と、李肇星外相は語りました。温首相は会談や演説、挨拶など色々な場で、中国の平和発展の道と調和の取れた世界を構築するという主張について踏み込んだ説明を行いました。朝鮮半島の核問題については、中国側は韓日両国と話し合いと協力を保ち、六ヶ国協議と朝鮮半島非核化プロセスの進展を推し進めていく姿勢を示しました。韓日両国の指導者は、中国側と共に、半島の非核化プロセスを促し、東北アジア地域の平和と安定を維持していきたいとの立場を表明しました。