中国共産党の第17回党大会が北京で行われています。中国共産党中央の胡錦涛総書記は報告の中で、科学的発展観に関する詳しい論述を行いました。胡錦涛総書記は、「中国共産党は、経済発展と社会の進歩を実現させ、国民に発展の成果を享受させるため、科学的発展観を徹底的に実行しなければならない」と強調しました。これについて、大会に参加した代表らは、「科学的発展観という方針の下で、中国の経済社会の発展潜在力は一層発揮され、民生問題もよりよく解決されるだろう」と見ています。
改革開放が実施され30年が経ちますが、中国経済は年平均9%のスピードで増長しており、世界に注目されています。しかし、これと共に、長期的に蓄積した矛盾も現れています。ある代表は、記者のインタビューに答え、「現在、中国が提唱している科学的発展は、経済社会発展における新たな課題と矛盾に立ち向かうことにある。これは、中国共産党の新しい認識を表しているものだ」としています。
科学的発展観とは、全面的に協調した持続可能な発展を目指す理念です。その最も重要な主旨は発展ですが、核心的なのは、人間を重視することです。
今回の大会の代表でもある中国海洋石油会社の傅成玉社長は、「資源節約と環境保護の上で、われわれ国有企業がうまくやれば、中国の経済構造の調整や持続可能な発展力の増大に大きく貢献できる。弊社も今後5年間、この面で投資を行うつもりだ」と述べました。
中国は、2010年までにGDP・国内総生産のエネルギー消耗量と汚染物質排出量を2005年より、それぞれ20%と10%減らす目標を定めました。一部の地域ではGDPの成長を追及し、環境保護を配慮しないやり方が見られますが、この目標によりそうした状況を解決できるでしょう。
山西省は石炭の生産地として、ここ数年著しい発展を遂げましたが、環境の面では厳しい状況に直面しています。中国共産党山西省委員会の書記でもある孟学農代表は、「持続可能な発展と循環型経済の要求に応じて、山西省の実情に合わせた生態環境を整備していく。また、経済発展を促進し、民生問題を解決することに努力していく」と述べました。
多くの代表は、「科学的発展観の実行により、国民はより大きな実益を得るだろう」と見ています。中国はここ数年、都市部と農村部の協調の取れた発展を促し、農村部に対する投入を拡大しつつあります。これにより、農民たちの生活レベルは絶えず向上しています。
一方、都市部住民が関心を寄せる就職や医療、教育などの問題も、重点となっています。これについて、共産党上海市委員会の習近平書記は、「上海市は公共サービス、公共財政政策の面で、困難を抱いている団体や民衆が関心を持つ問題に耳を傾けている。医療や就職、教育などの面で一連の措置を取る」と語りました。
なお、代表たちは、「この科学的発展観の下で、中国の経済と社会、そして都市部と農村部は、ますます全面的かつ持続可能な発展を遂げるだろう」としています。
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