イランとIAEA・国際原子力機関は、21日夜までに、核問題についての会談を行いました。その後、双方は、今回の会談を通して積極的な進展を遂げたとし、イラン核問題の行動計画に残された問題について合意に達したとの認識を示しました。
イランとIAEAの会談は、15時間に及びました。イランの最高安全保障委員会のバエディ事務局次長は、会談後、「2ヶ月間の3度にわたる交渉によって、双方は、未解決だった問題について、最終的な解決の枠組みを決め、建設的意義がある成果を得た」と語りました。IAEAのハイノネン事務次長も、「会談には、建設的な意義があり、期限内にイラン核問題の『行動計画』の枠組みができた」と述べました。
イランが積極的にIAEAと協力しているのは、二つの原因があるとされています。
一つは、国連による3回目のイラン制裁決議案の作成を阻止したいというものです。IAEAのエルバラダイ事務局長は、9月初めにイラン核問題に関する新たな報告書を提出する予定です。その際、国連安保理は、この報告書に基づいてイランに制裁を加えるかどうかを決める見込みです。したがって、イランは、報告書で有利なことを書いてもらうために、積極的な態度を示したわけです。
二つ目の理由は、長い間引き延ばされ、膠着した局面は、イランにとっても負担となっているということです。実質的な譲歩を示して初めて、この膠着した局面を打ち破ることができるとの認識は、イラン側も持っています。イランの最高安全保障委員会のバエディ事務局次長は、会談後の記者会見で、「アラクの重水原子炉や、ナタンズのウラン濃縮基地を公開するなど、IAEAの調査により多くの便宜を図る」と表明しました。AP通信のある記者は、「敏感な問題であったアラク重水原子炉などの公開について、イランは、実質的な譲歩により、膠着局面を打開しようとしている」との見方を示しました。
ただ、イランがIAEAとの合意に達したことについて、アメリカは、冷静な反応を示しています。アメリカは、イランに対して、IAEAとの協力にとどまらず、国際社会を悩ませるウラン濃縮を停止すべきだと主張しています。アメリカのバーンズ国務次官は、20日、「イランの行動は、ただの時間の稼ぎだ。アメリカは、安保理のイラン制裁実施を絶対にあきらめない」と語りました。
これについて、イランの核交渉を担当するラリジャニ首席代表は、「一部の国が安保理にイランの制裁決議案を作らせようとした場合、イランは、これまでの努力を中止し、対抗措置を取る」と語りました。イランのアハマディネジャド大統領は、「イランは、すでに核技術の困難な点を解決している。誰もイランの核開発を妨げることはできない。イランが外界の圧力に屈して、ウラン濃縮活動を停止することは絶対ありえない」と語りました。
イラン核問題については、今のところ、解決の可能性はあるものの、まだまだ障害が多く、国際社会は、今後も多くの努力を払わなければならないでしょう。(翻訳:李軼豪)
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