EU・欧州連合は、23日、ブリュッセル本部で政府間協議を開き、「欧州憲法」に代わる新条約についての協議を開始しました。これは2年にわたって棚上げにされた欧州憲法の制定プロセスがようやく軌道に乗ったことを示しました。
この日に開かれたEU外相会議は、政府間協議の開催を発表すると共に、新条約の起草の責任を持つEU 輪番議長国のポルトガルは協議で新条約草案を提出しました。EU理事会の授権に基づいて、27の加盟国の法律専門家が24日に第1回会議を開きます。政府間協議の主要任務は法律上で新条約草案を完備させることです。また、新条約を2009年6月欧州議会選挙を行うまでに、各国の批准を受け、正式に発効させるため、ポルトガルは10月18日にリスボンでEU非公式首脳会議を主催し、新条約の最終文書を確定することになります。
ポルトガルのアマード外相は政府間協議の開幕式で、「さまざまな試練に直面して、EUはみずから制度を改革する必要がある。EUの議長国として、EU 理事会の授権を厳格に守り、政府間協議が順調に行われるようにすると共に、利用できる全てのチャンスを利用して、政治面で、新条約制定の成功を促進していくべきだ」と強調しました。
2005年、フランスとオランダの国民投票で、「欧州憲法」を否決した後、EUは2年間にわたって憲法制定おける危機に陥りました。
今年の初め、ドイツは輪番議長国に就任後、憲法制定を優先的な事項に置きました。長い交渉を通じて、EU各国の指導者は最終的に6月に行われた首脳会議で妥協し、欧州憲法に代わる新条約の制定を目指す「ロードマップ」を採択しました。こうして、欧州憲法制定の危機を終わらせました。各国の妥協の基礎の一つとして、新条約では憲法と言う言い方を回避し、EUを超国家機構とする内容をカットしました。しかし、憲法としての性質は疑いようのものであり、新条約をめぐる討議が依然としてより難しいことに違いはありません。
実際に、この潜在的な危険はっきりと現れています。政府間協議開始の当日、EU外相会議に出席したポーランドのフォティガ外相は記者会見で、「ポーランドは政府間協議で、新条約草案において、EU 理事会の今後の表決メカニズムの問題をはっきりとさせることを要求する」と述べました。ポーランドは、新条約の二重多数表決権によって、イギリスやフランス、ドイツなどの大国に続く表決権が削減され、拒否権の行使も脅威にされていると強調しました。
ポーランドのフォティガ外相のこうした話はEU内部で憂慮を引き起こしましたが、各国は政府間協議が予想する成果を上げるであろうと楽観的に見ています。
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