スウェーデンを公式訪問している胡錦涛国家主席は、9日、スウェーデンの国王・カール16世と共に、古い商船を再現した「エーテボリ号」の帰港を歓迎する式典に出席しました。
凡そ260年前、つまり18世紀の半ばの清の時代、スウェーデンの商船・「エーテボリ号」は、中国の磁器、お茶の葉、シルク、香料などを積んで中国から帰国の途に付きました。30カ月の航海を経て、いよいよ古里のエーテボリという町に近づきましたが、不幸にも、港の付近で座礁し沈没してしまいました。そのときから、「エーテボリ号」はスウェーデンの人々にとって、忘れられないものになりました。2005年10月、当時の「エーテボリ 号」の設計図に基づいて再現された、世界最大の木造の帆船が、再びスウェーデンを出港し、古い「海のシルクロード」に沿って、中国への旅を始めました。この船は、到着した中国の各港で熱いもてなしを受けました。
9日、2万人あまりのエーテボリ市民が港に集まり、両国の友情を乗せて帰ってきた船を出迎えました。「エーテボリ号」は礼砲を放って、歓迎式典に参加した胡錦涛国家主席とカール16世に敬意を表しました。
胡錦涛国家主席とカール16世は、両国の国旗を振っている市民の列の間を通って、接岸した船に乗り込みました。船員たちは、高い帆柱に登って、色とりどりのリボンを飾りました。「エーテボリ号」は、凡そ260年前の当時の様子を保っており、その帆柱は三世紀にわたる両国人民の友好往来を見守っていたことになります。古くからの儀式に基づいて、胡錦涛国家主席とカール16世は、共に船室の木造の床の上でサインをしました。そして、舵のそばで記念写真を取った後、一番上の甲板に登り、挨拶を交わしました。カール16世は、挨拶の中で、「古里に帰ってきた『エーテボリ号』は、スウェーデンと中国が昔から結んできた歴史的な友好関係のシンボルである。中国はすでにスウェーデンのアジアにおける最も重要な貿易パートナーになっており、両国の協力は多くのチャンスに恵まれている。『エーテボリ号』は、長い歴史を持つ、美しい両国関係のシンボルであり、期待される未来のシンボルでもある」と語りました。
これに対して胡錦涛国家主席は、「去年、『エーテボリ号』は、古い『海のシルクロード』に沿って、中国への往復の航海に成功した。今日、この船は、中国人民の友情と祝福を載せてエーテボリに帰ってきた。この船は地球の半分以上の距離を航海して、両国の人民の間に、新たな友好の橋を掛けた。これは、両国の経済貿易、文化などの分野で新しい交流と協力の場を作り上げ、友情を伝える輝かしい使命を果たしたと言える」と述べました。
また、胡錦涛国家主席は、「中国政府と人民は、スウェーデン国民との友情を非常に重視しており、終始戦略的立場と長い眼で両国関係を見ている。両国の人民が永遠に仲良く、全面的な協力を行うよいパートナーになるため、中国はスウェーデンと共に、政治面での信頼関係を強め、実務的な協力を拡大し、両国関係が絶えず新たな高いレベルに発展することを推し進めていきたい」と指摘しました。
そして最後に、胡錦涛国家主席は、「『エーテボリ号』を再現した力を借り、両国人民の共同の努力の元で、両国の友情の大木は、必ず実り豊かになることができると信じている」と強調しました。(翻訳 朱丹陽)
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