4月7日は「世界保健デー」に当たり、今年は「国際保健の安全保障」をテーマとしています。
世界保健機関はこの日、声明を発表し、人類の健康を脅かす病気に対応し、今後の新種の病気に対する厳重な警戒を維持していくよう加盟国に要請しました。
WHOのマーガレット・チャン(陳馮富珍)事務局長は「人口の流動が頻繁となり、経済の相互依存度が高まっているため、新種の病気の発生は頻繁になってきた。人類の健康が脅かされ、社会と経済、及び金融市場も大きな影響を受けている。1973年から2003年までの30年間、エイズ、エボラ、サーズ、在郷軍人病など致命的な感染症を含め、人類の健康を脅かす新種の病気は39種と断定された。2003年に大流行したサーズ・新型肺炎は数カ月のうちに世界に広がり、人類の経済と社会生活に大きな打撃を加えた」と指摘しています。
経済のグローバル化が急速に進展し、人口と貨物の流動は頻繁になり、中でも、世界の航空旅客輸送量は延べ20億人に達し、このような大規模な人口の流動は感染の拡大を加速させているのです。
これについて、チャン事務局長は「これら致命的に感染する病気の世界範囲での流行は可能であり、国境によって阻止することはできない」と述べています。
人口の増加に伴い、人類の活動は自然環境を損ない、人間と家禽や家畜の距離を縮めており、これによって病気の感染の可能性が拡大しています。
統計によりますと、人間が感染した病原体のうち75%は感染源が動物であり、高病原性鳥インフルエンザの人間への感染はその1種です。
また、都市化により、農村部の人口は都市部へ大量に移動し、生活環境、医療保健施設の不備などの原因により、農村部からの移転人口は、これら病気に感染される危険性が大いに高まっています。
このほか、抗生薬の乱用と飼料への抗生物質添加により、細菌の耐性が増強し、抗生剤の効果が下がっているのです
こうした情勢に応じ、WHOは今年6月に新しい「国際保健規約」を施行し、感染情報の即時報告を加盟国に要求しています。
この新しい「規約」は「即時の通報、早期の予防と抑制措置の実施、および感染源に対する調査が重大な感染症の抑制にとって極めて重要でありることから、政府、企業、社会の三者は感染情勢に対する監視体制を確立すること、特に新しい病気の予防治療薬の開発に対する投入を拡大すること、また、発展途上国は公衆衛生分野の整備を強化させるべきである」と提案しています。
|