WHO・世界保健機関執行委員会は6日から8日まで、次期事務局長の選挙を行ないます。この結果は、9日に行われる世界保健総会に提出し、正式に決定されることになります。
今年5月22日、WHOのイ・ジョンウク(李鐘郁)事務局長が病気で亡くなりました。今、世界中が鳥インフルエンザなどの重大な伝染病の脅威に直面している状況を踏まえ、WHOは事務局長の指名から就任までに6カ月間を必要とするルールを破り、選挙のプロセスを加速させることを決めました。WHOは9月6日、事務局長選挙に立候補する13人の候補者リストを発表しました。そのうち、2人がこのほど立候補を取りやめたため、残り11人が選挙に参加することになります。
今回の執行委員会会議は6日、まず11人の候補者の中から、5人の「ショートリスト」を決めます。具体的なやり方は、何度か委員による投票を行なって、得票数が最低、もしくは得票率10パーセントに満たない候補者を淘汰していき、最終的に5人を選出するというものです。また7日、執行委員会は残った候補者に対し面接を行います。面接時間は、1時間で、前の30分は、候補者がWHOの未来に対する見解、直面する課題について、分析及びその解決案を述べます。そして、後半の30分は、面接官との質疑応答の時間となります。その後、8日に執行委員会は、「ショートリスト」に入った5人の候補者に対する投票を行います。その際、もし過半数の投票を獲得した候補者がいなければ、毎回の投票後に最低得票者を除外していき、候補者の一人が過半数の票を獲得するまで、それを続けていきます。そして最終的に9日、世界保健総会の特別会議を開き、執行委員会が指名した事務局長に対する審議を行い、任命するという手順となります。
中国は7月25日、香港特別行政区から陳馮富珍(マーガレット・チャン)事務局長補を次期事務局長に推薦しました。陳馮富珍女史は今年59歳、かつて1994年6月に香港保健署の署長に任命されました。2003年にジュネーブでWHO事務局長補に就任して以来、伝染病抑制の仕事を主に担当してきました。香港保健署長としても、WHO事務局長補としても、彼女は高い成果を上げています。国連ジュネーブ駐在中国事務局の沙祖康代表が9月5日、記者会見を開き、陳馮富珍事務局長補を次期事務局長に推薦することを各国のジュネーブ駐在事務局の代表団に向け、発表しました。
過去2カ月間、各候補者は激しい選挙戦を戦いました。これらの候補者は、各国で広報活動を行い、自らの理念をアピールしています。ヨーロッパの新聞が報じたところによりますと、メキシコのフリオ・フレンク保健相、「国境なき医師団」の創始者でもあるフランスのベルナール・クシュネル元保健相、日本の尾身茂WHO西太平洋地域事務局長、スペインのジョゼ・セーラ保健相、モザンビークのパスコアル・モクンビ前首相などがいずれも、有力候補とされています。
この選挙では、アメリカやEU・欧州連合及びいくつかの主な発展途上国の支持を得ることが非常に重要だと見られています。しかし、投票過程が非常に複雑なため、当選者は、8日に行なわれる最終投票まで、全く予測がつきません。
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