韓国が28日、朝鮮に6万枚の絨毯を送り、去年10月から中断していた救援活動を再開しました。また、同じ日、口てい疫を防ぐ第一陣の援助物資も朝鮮に送られました。これは韓国政府が朝鮮への人道援助を正式に再開したことを示します。

　去年、韓国と朝鮮の関係は、朝鮮のミサイル試射と核実験実施により、行き詰まっていました。去年7月5日、朝鮮はミサイル打ち上げテストを行った後、朝鮮と韓国の第19回閣僚級会議が予定通り、行われました。席上、朝鮮は、韓国政府による朝鮮への食料や肥料を含めた人道主義援助の提供を討議するよう、求めました。一方、韓国は、ミサイル試射問題の解決を優先させると主張し、朝鮮が六カ国協議に復帰するよう、促しました。双方の溝が埋まらないため、この会議は物別れになっていました。これを受けて、韓国政府は、数年間続いていた朝鮮への人道主義援助を中止すると決めました。しかし、同じ月に、朝鮮は連日大雨による洪水に見舞われ、大きな損失を蒙りました。朝鮮の求めに応じて、韓国政府は8月20日、米、セメント、絨毯など2億ドル相当の救援物資を送ると決めましたが、これら物資がまだ到着しないうちに、朝鮮は、10月7日核実験を実施しました。これを受けて、韓国は直ちに救済活動を中止すると発表しました。これで、双方の政府間対話は、完全に途切れる状態に陥ったのです。

　ところで、朝鮮核問題をめぐる六カ国協議に大きな突破口が生まれたことで、朝鮮半島の民族和解プロセスは再び軌道に戻りました。今年3月13日、朝鮮核問題をめぐる六カ国協議第3段階会議で、共同声明の初期段階行動の共同文書が採択されました。これによって、朝鮮のミサイル試射と核実験実施で招いた緊張関係が緩み、2月27日には、双方の閣僚級会議が再開されました。この会議では、南北対話と接触を行う複数のルートの回復、人的交流と経済協力の拡大などで合意しました。会議に出席した韓国のイジェジョン（李在禎）統一相の話によりますと、双方は、朝鮮への30万トンの肥料提供と40万トンの食糧援助について、原則的には合意したということです。冒頭で触れた朝鮮への救済援助の再開、口てい疫を防ぐ第一陣の援助物資提供は、これを背景にスタートしたものです。

　これに対して、世論は、韓国が、南北関係を改善するため講じたこれらの行動は、同胞への同情であることと共に、自国のの戦略的思惑でもあるとしています。

　第一に、朝鮮半島の平和と安定を維持することです。南北関係の緊張は、朝鮮半島情勢の不安定を招き、投資家の心理に影響を及ぼすことになります。これは、韓国の安定と経済発展に不利です。

　次に、朝鮮半島問題で独自の役割を果たすことです。朝鮮は、アメリカ、日本とそれぞれ国交正常化について交渉を行っています。この状況の下で、韓国と朝鮮関係の緊張状態は、朝鮮半島問題における、韓国が果たす独自の役割を弱めることになっています。

　最後に、大統領選挙で、より多くの票を獲得することです。今年12月、韓国では大統領選挙が行われます。南北関係の発展は、有権者が、候補者とその政党を評価する重要な内容になるに違いありません。（翻訳　朱丹陽）