ロシア連邦国家安全保障会議のイワノフ書記は18日、ロシア外交国防政策理事会の成立15周年を祝う会議で、「北大西洋条約機構（NATO）の東方への拡大は、ロシアの利益に合致しないだけでなく、NATOの新しい加盟国とNATOの利益を損なう恐れもある」と指摘しました。

　イワノフ秘書はこの中で、「NATOはすでに今日の世界に現れている様々な脅威に対応する力がない。NATOは数回にわたって東方へ拡大してきたが、テロ活動は依然として減少していない。アメリカ、イギリス、スペインが相次いでテロに襲われたため、NATOに新しく加盟した国々の国民は『NATO加盟で安全になった』とは思っていない」との考えを示した上で、「NATOの東方拡大を抽象的で、技術的な問題と簡単に見なしてはいけない。ロシアは、NATOの東方拡大が政治的な動きだと考えている」と述べました。

　イワノフ氏はまた、「核問題を口実にイランに圧力をかけ、イランの内政を干渉することには反対する」との姿勢を示しました。

　さらに、イワノフ氏は、「ロシアは、核兵器が世界中に拡散することを防ぐことが必要で、イラン一国だけの問題ではないと考えている。イランが軍事用の核開発を計画していないのであれば、原子力の平和利用の権利を持つことができる」と指摘した上で、「国際社会の不安をなくすため、イランはウラン濃縮を一時中止すべきだ。そうすれば、国連安保理がイランへの制裁を見合わせ、関係各方面もまた交渉の場に戻ることができる」との見解を示しました。（翻訳：姜平）