全国政治協商会議年次総会の開幕に続いて、全国人民代表大会の年次総会は、今日(5日)北京で幕を開けました。この二つの会議を取材し、報道する環境はより自由になり、海外の記者らは、今年の2つの会議の取材は、例年と異なっていることを感じています。
シンガポールの新聞「聯合早報」の北京特派員、葉鵬飛記者によれば、温家宝首相が行った政府活動報告の中には、いくつかのポイントがあります。
「この報告の中には、環境保全に関する内容が結構ある。これは、中国政府が汚染物質の排出を含む環境問題を重視していることを意味している。温家宝首相は、去年の環境保全目標を完全に達成できなかった。しかし、毎年の目標は必ず完成させる必要があると明言した。この発言は、中国政府が環境問題を解決する決心を示している」葉記者はこのように話しました。
この2つの会議のプレスセンターによりますと、今回取材許可を受けた海外の記者は700人に上り、この人数は例年より大幅に増えています。
今年の1月1日から、「北京オリンピック及びその組織期間中における外国記者の中国での取材に関する規定」が発効しました。この規定によって、外国の記者が取材をする場合、機関や個人の承諾さえ受ければ、取材を行うことができます。関連政府機関からの許可を得る必要はありません。
CNN北京支社のジミ記者は、 「新しい取材管理規定によって、私たちは、より多くの取材対象と接触できるようになった。この2つの会議を通して、海外の視聴者は、中国のより多くの階層の人々の声が聞こえるよう希望している」と述べました。
また、ロシアの通信社イタルタス北京支局のアンデリアキリロフ局長は 「今年全国政治協商会議と全人代は外国人記者により開放された。これはわれわれにとって、取材の分野が広がり、より多くの取材対象を見つけることができ、報道内容をゆたかにさせた。中国が世界に開放される度合いが高くなったことが伺える」と述べました。
このほか、CNN、ロイター通信など国際的に著名なメディアはこれまでより詳しい報道スケジュールを組みました。
今回の全人大でまもなく審議、表決される「物権法」「企業所得税法」草案は海外メディアの記者に注目されています。
イタリアで発行部数が最も多い新聞コリエーレ・デッラ・セーラの北京駐在記者は 「イタリアは世界で民法とローマ法体系の出発地であり、われわれは物への権利についてどんな解決案が提出されるかとても興味を持っている」と述べましア。
アジア太平洋金融新聞北京支局のウィールデウィスさんは「企業所得税法」草案に興味を示しています。「企業所得税法は中国で投資を行っている外資系企業と密接な関係がある。この新しい「企業所得税法」でどういう税率に改正するか、外国企業が中国でどのぐらいの税金を払うのか、また彼らにどういう影響を及ぼすかについて注目している」と述べました。
日本のNHK中国総局の原田誠局長は記者の質問に答え、「温家宝首相の政府活動報告は、日本のマスメディアが最も関心を寄せているもので、特に中日関係を含む中国の外交政策に注目が集まった。2008年オリンピックを控えて、日本の民衆は、中国がオリンピックに向けて講じた準備措置に非常に関心を持っている。これはNHKの報道のポイントにもなっている」と語りました。その上で 「オリンピックを迎える気合や意気込みは、北京の隅々まで感じられる。都市の清潔化や緑化、市民のマナーやエチケットの向上などは、われわれが取り上げる内容である。オリンピックを控えて、これからは、会場建設や競技スケジュールの情報をどんどん取り上げていきたい」と述べました。
全人代常務委員会弁公庁報道局の?(かん)珂局長は 「報道陣に対するサービスについて、いろいろと措置を講じている。たとえば、今年、全人代と政協を取材する内外の記者は、オンライン登録の手段で、記者登録することができるようになった。また、今年の会議期間中、多くのグループ会議が、海外からの記者にも開放されるので、会議の状況や代表に対する充実した報道を期待している」と述べました。
報道によりますと、人民元為替レート、環境保全、エネルギーそれに腐敗防止などの問題は、海外記者が特に関心を持つところで、それらの問題に対する中国政府の対策も世界から注目を集めています。
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