中国の最高国家権力機関である全国人民代表大会の年次会議は14日北京で閉幕しました。会議で可決された『国民経済と社会発展の第11次五ヵ年計画綱要』は、向う五年間の中国の発展を導く上で重要な意義を持っています。大会閉幕後、温家宝首相は記者会見を行い、農村の発展や環境保護、教育問題などについて、内外の記者の質問に答えました。今日のこの時間は、これについてご紹介しましょう。
三農問題、つまり農業、農村、農民問題は中国近代化建設の大局にかかわる根本的な問題であり、中国政府はこれを非常に重要視しております。採択されたばかりの向う五年間の発展計画綱要では、「社会主義の新 農村を建設する」という目標を出しました。温家宝首相は記者会見でまず「新農村の建設」に触れて、「社会主義新農村の建設の核心的課題は、現代農業を発展させ、農業の総合的生産能力を高めることです。農村のインフラ建設と各社会事業の発展を強化していくことを提出したのは、農民の生産と生活条件を改善するためです」と話しました。
温家宝首相は、また、「工業の発展を通じて農業を支持し、そして都市が農村を支援することによって、農村も豊かになり、農業の現代化を実現させる。これは、中国近代化建設において、重要な段取りである。」と強調しました。
環境保護について、温家宝首相は、「環境汚染は確かに中国の発展における重大な問題となっている」と指摘しています。「発展の目標を制定するとき、経済成長ばかりを見てはいけません。省エネと環境保護も大事です。ですから、この第11次五ヵ年計画綱要では、二つの目標が出されています。つまり、向う五年間、GDP・国民総生産のエネルギー消耗を20%減少させすること、汚染物の排出を10%を減らすことです。」と語りました。
温家宝首相によりますと、今後、中国は環境汚染をもたらし、資源を大量に浪費する企業とインフラ建設を禁止すると共に、汚染された河川や空気、土壌に対しては、計画を立てて、段階的に整備していくということです。
ところで、今月5日に行われた開幕式で温家宝首相は政府活動報告を行い、向う五年間、政府は2100億元余りもの義務教育経費を増やし、職業教育を支持するため、100億元を拠出する。二年間をかけて、農村で九年制の義務教育を実現させるとしています。温家宝首相は、記者会見で 、「われわれは13億の人口を持っており、そのうち、9億は農民で、一般庶民の占める割合が大きいということです。国の発展は国全体の資質を高めることに頼っています。今までは、全国で義務教育を普及させ、職業教育を発展させ、高等教育のレベルを高めてきました。今後もこの三つの分野でさらに力を入れなければならない」と述べました。
温家宝首相は、中国の将来の発展について、様々な困難とリスクに直面しているが、中国は、改革開放を堅持し、平和発展の道を歩むと強調した上で、「中国は、きちんと責任を負う国であり、強大になっても決して他国の内政に干渉せず、世界で覇を称えない」としました。
記者会見で、温家宝首相は、また、台湾問題やインターネットの管理、中日関係などについて内外の記者の質問に答えました。
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