2006年度の全国人民代表大会と全国政治協商会議の二つの年次会議がこのほど閉幕しました。会議に出席した5000人あまりの人民代表や政治協商会議の委員と同じぐらい注目される存在が外国人、つまり外国メディアの記者と中国駐在の外交官です。この人たちは中国の政治制度、発展の道のり、将来の計画について、それぞれ自分の考え方を持っています。
今年の会期中、35カ国180社のメディアから外国人記者40人あまりが取材に訪れました。フランスの新聞「フォトマガジン」の中国駐在首席記者、カロリンさんは、1984年から中国に駐在し、20年あまりの経験があります。カロリンさんは「20年前、代表はほとんど60代から70代ぐらいの男性でした。今日の代表は40代の若い人が中心で、女性の数も年々増えています。そして代表たちはノート型パソコンを片手に会議に参加するようになりました。少数民族の代表は民族衣装を着て出席します。20年前は、外国人記者による代表へのインタビューはほとんどできなかったけれど、今はだいぶ変わりました」と当時をふり返りました。
中国の発展はアラブ諸国にとって参考になるものがたくさんあるという意見も出ました。アルジャジーラのイザト記者は「改革開放以来、世界は中国の成功例に関心を寄せている。経済にしても、政治にしても、広く開放しつつ。同時に安定を維持していることは注目に値する。アラブ諸国だけでなく世界各国が中国の改革解放に注目している」と話しました。
アメリカのウィリアム記者は「温家宝首相は社会の安定などの現実問題を率直に見ている。社会問題は中国の経済成長がもたらした問題であり、温家宝首相は都市部と農村部の差を縮め、バランスを取ることの重要性を認識している。私は温家宝首相が提出した農村の発展問題に関心を寄せている」と話しました。
また、中国の招きにより、100人あまりの外交官が今回の全人代の年次会議を傍聴しました。
フランスのフィリップ中国駐在大使は「中国のような大きく変化している国において、人民代表大会は常に重要な役割を果たしている。中国は急速な発展と同時に多くの問題に直面している。中国の実情から、すべての人が同時に豊かになることはできない。この問題はどうしても避けられない。重要なのはいかにこの問題を解決するかということだ」と語りました。
ミャンマーのイン・ルイン大使は「中国の各地域から来た代表と委員は様々な職業を代表する人達である。彼らが提出した議案はすべての国民の意思を示す。年次会議は毎年ほとんど同じ時期に開催され、すでにそのあり方を確立している」と評価しました。
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