日米関係の「厚さ」に比べ、日欧関係は確かに「薄い」。安倍晋三首相による9日からの欧州訪問には、明らかに日欧関係を「厚くする」狙いがある。
小泉前首相の外交思考によると、対米外交さえ良好なら、他の外交は問題にならなかった。だが実際には、対米外交を過度に重視すると同時に、日本のアジア外交は膠着状態に陥り、欧州諸国との関係も目に見えて疎遠となった。安倍政権発足後の外交の軌跡から判断すると、膠着・対峙局面を優先的に和らげるとともに、ウィークポイントを「厚くする」ことがその手法だ。安倍首相は就任後1週間で中韓両国を訪問し、アジア外交における日本の苦境をある程度緩和した。また、就任後2カ月でフィリピンを訪問し、東アジア各国を対象とする7大支援計画を発表した。就任後3カ月を経た2007年初の外遊に欧州を選んだのも、前任者が残した外交バランスの崩れを修復し、調整するためであることは明らかだ。安倍首相が日欧関係を「厚く」することを望むのは、現実への立脚だけでなく、将来性も展望してのことだ。今年は英国とフランスの総選挙の年だ。安倍首相は今回の訪問で、両国の与野党双方のリーダーと会談し、今後の日英・日仏関係のための地ならしをする計画だ。
「人民網日本語版」
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