今月11日、中国がWTO・世界貿易機関に加盟してから5年の経過期間が終了しました。この5年、中国は、WTOに加盟した時の承諾事項を真摯に履行してきました。中国商務省の責任者は、「中国は今後も、改革開放を続け、経過期間終了後の困難に対し、積極的に立ち向っていく」との意気込みを示しました。
12月11日から、中国は外資系銀行に対し、人民元業務を全面的に開放しました。これで、中国がWTOと行なった承諾事項は完全に実現され、これをもって、5年間の経過期間が終了することになります。
これについて、中国の薄熙来商務相は、「経過期間が終了したものの、中国の改革開放は終わることはない」とし、また、次のように述べました。
「経過期間が過ぎましたが、改革開放政策は続きます。中国は、産業の発展や対外貿易において、WTOのルールにしたがって管理していきます。」
薄熙来商務相は、また、「中国は、今後、WTOで建設的な役割を果たし、関連の規則制定に参与していく。また、多国間貿易体制の強化や改善を進め、貿易摩擦に真剣に対応していく」と語りました。さらに、発展途上国との協力を強め、最貧国とその他の貧困国に対する支援にも取り組んでいくと述べました。
WTOに加盟してからの経過期間が過ぎ、中国が直面する状況について、中国商務省世界貿易局の張向晨局長は、こう語っています。
「今後、中国は、国内市場がより開放された状況の下で、国際市場において、外国製品やサービスとの競争をしていかねばなりません。これは、我々にとってチャンスであり、また大きな挑戦でもあります。」
張局長は、また、「経過期間が終了した後、中国のWTOにおける地位はより重要となり、世界経済と国際貿易に占める割合も高まる。これと同時に、国際貿易保護主義への対応や、市場を開放する際の農業、金融、エネルギーの安全など、困難も増えるだろう」と見ています。
中国は、WTOに加盟してから、貿易額が持続的に増え、今や世界で3番目の貿易国になりました。中国社会科学院世界経済・政治研究所の李向陽副所長は、「中国は、貿易大国として、世界経済の発展に、より大きく貢献すべきだ」との考えを示しました。具体的に、こう述べています。
「中国は、ここ5年の経過期間を経て、世界経済のグローバル化プロセスに全面的に組み込まれました。現在、中国経済と世界経済が互いに高めあう段階にきています。この段階で、中国の国際社会への貢献が大きくなるにしたがって、国際社会から求められる責任や義務も大きくなります。こうした状況の中で、中国の経済体制や、経済政策、国際社会での協力や役割分担などが、今後の課題になると思われます。」
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