WTO・世界貿易機関は１９日、ジュネーブにある本部で会議を開き、中国の貿易政策に対する初の審査を行いました。

　この会議には易小準商務次官が率いる中国代表団が出席しました。

　席上、易小準次官は「WTO加盟４年来、中国経済は安定した高度成長を実現したため、世界に大きな市場を提供し、投資者に大きなビジネスチャンスを与え、消費者にも安くて品質のよいの商品を供給した。中国はWTO加盟協定を真剣に履行しており、WTOの原則とルールに従って貿易紛争を処理することを主張し、WTO加盟国として自国の開発レベルに見合った義務を担っている。これまでの事実が証明しているように、中国はWTO加盟国として責任を負い、共同の繁栄実現と世界平和の促進において重要な勢力となっている。中国の貿易政策は単なる貿易黒字を求めるものではなく、一応均衡の取れた貿易を求めている。中国は国内市場に依拠する発展に重点を置き、内需拡大による経済成長というのがこれまでの政策であり、この政策を維持していく」と強調しました。

　会議では議長を務めるコロンビアのWTO駐在大使、論議を主導するシンガポール大使、およびインド、チリ、ブラジル、メキシコ、アメリカ、EU・欧州連合、カナダ、オーストラリア、日本、スイスなどの加盟メンバーが「WTO 加盟は中国の改革開放を加速し、世界にチャンスを提供した。中国による加盟条約の履行は多角的貿易体制への大きな寄与である」とした上で、中国経済の発展の成果とドーハ・ラウンドにおける中国の役割を高く評価しました。

　中国の貿易政策への審査に備えて、WTOはこれまで２年間にわたる準備作業を行い、WTO事務局は３００ページ以上にのぼる報告書を起草しました。

　この報告書は「WTO加盟後の貿易投資政策の改革により、中国経済は世界経済への融合を速めた。改革開放政策により、中国経済は市場経済へと転換しつつあり、その成長率は世界のトップレベルに達した。一方、今後に発展において中国は所得の格差拡大、高度成長による資源不足と環境問題、金融資本市場の改革、労働力の質的向上など、一連のチャレンジに直面している。中国は現在、構造の改革を通じて開発問題の解決を求めている」としています。

　加盟国に対するWTOの貿易政策審査制度はそれぞれ加盟国の貿易政策の透明性の向上を目的としています。

　この審査制度の実施はWTOの基本的職能の一つですが、貿易額が世界のベスト4以内のメンバーは２年ごとにこの審査を受け、第５位から第２０位までのメンバーは４年ごとに、その以下のメンバーは６年ごとに審査を受けることになっています。

　２００１年１２月にWTOに加盟した中国は加盟時の貿易額が世界６位だったため、今年審査を受けたのです。

　中国の貿易額は今では世界３位に上昇し、今後は２年ごとに審査を受けることになっています。