山西省が最近発表した「公民の環境保護意識に関するアンケート」によると、「環境保護の強化は、経済成長に影響を与える」と考える市長(庁・局長)が91.95%に達し、「影響を与えない」はわずか6.51%、「わからない」は1.53%にとどまった。一方で、「環境保護と経済建設は同時に発展させるべき」と考える民衆は93.31%に上った。
テレビや新聞では、市長や庁・局長が「環境保護優先」や「科学的発展」を声高に語るのをよく目にするが、今回のアンケートで、ようやく彼らの本心が吐露された。憂慮すべきは、国家環境保護総局が各地に15組のチームを派遣して行った最近の調査で、依然として相当数の地方役人がGDPのみを絶対的な「ハード指標」と考え、環境保護を融通の効く「ソフト指標」と見なしていることだ。各級政府指導者の科学的発展意識と環境保護意識をいかにして高めるかが、とりわけ重要になってくる。
現状から見ると、発展を加速するには、プロジェクトを立ち上げなければないが、これは汚染の問題をもたらす。環境を保護するには、汚染の深刻なプロジェクトを取り締まり、排除しなければならないが、これは目先の財政収入に影響を与えるおそれがある。両者は矛盾するようにみえるが、長期的に見ると、環境保護を強化して、より大きな環境収容力を確保することによって初めて、より速く、より良い発展を実現することができるのだ。
「環境保護は経済発展に影響を与える」論の背後には、依然として「経済最優先」のいくつかの地方が存在する。こうした地方では、環境保護はまったくの「ソフト指標」であり、役人の環境保護業績への審査が、本当に実行されているとはとても言えない。国家環境保護総局の最近の調査で、ある地方の指導者は「経済をうまくやれば出世できるとしか聞いていない。環境保護をうまくやっても出世できるなんて聞いたことがない。環境保護で失敗すると地位を失うなんて聞いたことがない」と率直に語った。環境保護がGDPと同様にハード指標になれば、地方の役人はようやく心底から環境保護を重視し、真に科学的発展を成し遂げるようになるだろう。
このほかに、おそらく少なからぬ役人が持つ「渡り鳥心理」も災いしている。現行の制度では、1つの地方への任期は短いことが多く、数年後には離任の可能性がある。環境保護を強化し、短期的利益を犠牲にして、グリーンGDP(人と自然の調和のとれた健全な経済成長)を実現させるのは「自分が大樹を植え、後人が涼をとる」行為であり、短期的で、直線的で、迅速な「ブラックGDP(自然からの略奪に基づいた不健全な経済成長)」を行い、「自分が業績を上げて、環境保護局が黒鍋を背負い込む」方がいい。何のリスクもないため、喜んでそうするに決まっている。
われわれは、中国の環境が置かれた状況の深刻性と複雑性、環境保護事業の重要性と緊迫性を十分に認識し、環境保護をさらに重要な戦略的位置に据えなければならない。「祖先の飯を食べて、子孫の道を断つ」ような愚かな事は、絶対にできない??。今年の第6回全国環境保護大会で温家宝総理が述べたこの話を、われわれは熟考し、実行しなければならない。(編集NA)
「人民網日本語版」より
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