今年は中国とアセアン・東南アジア諸国連合とのパートナー関係確立15周年の年です。これを受けて、中国商務省の高虎城次官は6日北京で行われた記者会見で、「この15年間、双方が経済貿易分野で実りある協力を行ってきた。中国とアセアン加盟国との二国間貿易額は年平均20%の伸び率を維持している。また、ここ数年アセアンで推し進めている自由貿易区の設置も進展を遂げている」と述べました。
中国とアセアンとの対話は1991年から始まり、それ以来、政治や経済、安全保障、社会文化及び民間の往来など多くの分野で交流し、協力を行っています。中国は経済の安定した成長と対外貿易の拡大を目指して、2002年末にアセアンと「中国?アセアン全面的経済協力に関する枠組み協議」に調印したほか、自由貿易区の設置も同時にスタートさせました。また、双方は、去年の7月から7000種目の商品に対して関税引き下げを実施しています。
これに対して、高虎城次官は「現在アセアンで推し進められている自由貿易区の設置は成果を収めた」とした上で、「去年の7月から今年7月までの一年間、双方の貿易額は1430億ドルを上回り、前年の同じ時期と比べて、22%増加した。自由貿易区での貿易が大きな進展を遂げたと言える。現在関税の引き下げという政策を実施すると同時に、サービス分野の貿易に関する商談も始まった」と述べました。
中国ーASEAN自由貿易区の建設が進むに連れて、経済貿易の発展スピードも速まっています。ここ数年、ASEAN諸国から中国への実質投資額が毎年およそ30億ドルに達しています。2005年までに、ASEAN諸国が中国で行ったプロジェクトの数は3万件で、実質投資額は385億ドルに上っています。同時に、ますます多くの中国企業もASEAN諸国を重要な投資先としています。
現在、中国とASEANは互いに4番目の貿易パートナーになっており、ASEANは中国にとって5番目の輸出市場で3番目の輸入相手国となっています。また、双方の輸出入商品も、これまでの一時産品から工業製品、特に機械や電気製品およびハイテク製品へと、グレードアップしています。さらに、インフラ設備、農業、エネルギーなどの分野における協力も好調です。
中国商務省の高虎次官の話によりますと、これまで、中国とASEANの経済貿易においては、中国側の輸出の伸びは、輸入を下回っており、中国のASEANに対する赤字は拡大する傾向にあります。高虎次官は、「1990年代の初めから、ASEANに対するわが国の貿易は赤字になり始めました。それ以降、わが国の輸入の伸びは、常に輸出を上回っています。2005年まで、ASEAN諸国に対するわが国の貿易赤字は196億ドルに上っています。ASEANは中国の貿易赤字の主な地域の一つになっています」と、語りました。
中国ーASEAN関係樹立15周年を記念するため、今年10月、中国広西チワン族自治区の中心地南寧市で、記念サミットを開催することになっています。
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