中国が独自に研究開発した初めてのエイズワクチンがこのほど、第1段階の臨床テストを終了しました。テスト結果によりますと、このワクチンは一定の安全性を持ち、人間の体がエイズウイルスへの免疫反応を持つことが出来るということです。
国連エイズ計画の統計によりますと、1981年、アメリカが世界初のエイズ感染例を発表して以来、世界では合わせて2500万人がエイズで死亡しました。現在、各国の専門家はエイズワクチンがエイズ予防の根本的方法だと認め、エイズワクチンの研究開発に取り組んでいます。
1996年以来、中国の科学研究者は中国で流行っているエイズウイルスに大量の研究を実施し、エイズワクチンを開発しました。そして、去年3月から、エイズワクチンに対する第1段階の臨床テストを始めました。
エイズワクチン研究プロジェクトの責任者孔維教授は、「エイズワクチンの臨床テストは国際的規範のプログラムに従ったもので、過去1年間、49人のボランティアがワクチンの注射を受け、身体検査や180日間の集中観察など一連の医学検査を受けた」と紹介してくれました。
中国でワクチンの安全性の評価を行う中国薬品生物製品検定所の桑国衛所長は、「テストの結果によると、エイズワクチンは一定の安全性がある」と評価した後、さらに、「テスト結果によると、全てのボランティアは局部か全身の厳重な不良反応は発見されない。一部のボランティアはエイズウイルス細胞や体液に対する免疫反応を表した」と語りました。
中国国家食品薬品監督管理局の責任者張偉氏は、「エイズワクチンの第1段階の臨床テストが終わったものの、このワクチンに対する臨床研究が即時に拡大するわけではない」と語りました。
「現在、科学研究者は第1段階の臨床テストを分析し、まとめている。専門家による厳格な審査、評価を経て、第1段階臨床テストの結果を全面的に評価して初めて、最終的な決定が出る」と語りました。
張偉氏はまた、「このワクチンはまたも二つの段階の臨床研究が必要だ。ワクチンの安全性をさらに考察し、エイズに感染しやすい人の中で、ワクチンが人体に対する保護性などをさらに観測する必要がある。3つの段階の臨床テストが終わって初めて、ワクチンの生産や応用が許可される」と語りました。
これまで、世界では、およそ120のエイズワクチンの臨床テストを終えました。そのうち、大部分は初歩的研究段階にあります。中国科学技術省の劉燕華次官はエイズワクチンが第1段階の臨床テストを終えたことに喜びを感じました。最新統計によりますと、去年末まで、中国では、14万人がエイズウイルスに感染したということです。「エイズの中国での蔓延を防ぐため、厳しい措置を講じる一方、さらに効果的な措置を取ってエイズの予防に取り組む必要がある。エイズワクチンの第1段階の臨床テストの完成は人々に希望をもたらした」と劉燕華次官が語りました。(08/21)
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