今年の6月5日はエイズ発見25周年に当たります。25年前に人々はエイズが一体どういうものなのかを、ほとんど知りませんでしたが、現在、エイズは人々にとって、「死を告げる病気」です。統計によりますと、25年来全世界では累計して6500万人がエイズウィルス・HIVに感染し、そのうち2500万人が死亡しました。
現在、エイズの予防と治療は一定の進展を遂げました。この点について、国連合同エイズ計画が5月30日発表した報告書はそれを評価しました。一方、報告書は「エイズの予防と治療の情勢を楽観視してはいけない。なぜなら、HIVの感染者数が相変わらず多く、地域別に見れば、アフリカが一番の感染地区で、とりわけ、アフリカ南部は非常に深刻化しているからだ」と指摘しています。
アフリカのほか、アジアの情勢も楽観視できないようで、特にインドでは相当深刻な情況となっています。
これについて、中国国際放送局ニューデリー特派員の牛衛東さんは、「国連がこのほど発表した報告書によると、インドのHIVの感染者数が南アフリカを上回り、世界で感染者数が最も多い国となった。インドの感染率がわずか0.9%で、この比率はアフリカの多くの国々より低いです。世界で二番目に多い人口を持つ国なので、0.9%の低い比率であっても、感染者数は570万人に達し、南アフリカの540万を上回った」と説明しています。
この25年来、国際社会はエイズの予防と治療に努力しつつけています。10年前には、国連合同エイズ計画が発足し、全世界のエイズの予防と治療活動を指導しています。エイズ発見25周年、また、国連合同エイズ計画発足10周年にあたり、国連エイズ特別総会高級会合が5月31日から3日間に亘ってニューヨークで開かれました。今回の会議で参会者が女性と児童の感染問題を重点的に討議しました。この開幕式で国連総会のエリアッソ議長は「ここ数年、エイズの感染は若者、貧困者、女性の間で拡大しつつあり、国際社会が女性感染者を支援する面で払う努力はまだまだ不十分である」と指摘しています。
ところが、エイズの予防と治療は容易なことではありません。これについて、国連のアナン事務総長は「国際社会はエイズの予防と治療面で確かに一定の進展を遂げたが、その道のりはまだまだ長い」と話しました。ところが、現在、エイズの予防と治療にとって、一番難しいことは何でしょうか。
専門家は「エイズを治療する特効薬は開発中である。これは原因の一つだけで、エイズの予防と治療に必要な資金が非常に不足していることが一番の難題だ」と分析しています。
このほか、各国の経済と医療レベルに格差があることや、社会的差別なども、エイズの予防と治療に困難をもたらしています。国際社会及び人々が共に努力してこそ、はじめてエイズの感染拡大を効果的に抑えることができます。
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