中国衛生省、国連合同エイズ計画とWHO・世界保健機関は25日、2005年の中国エイズ情勢とその予防・治療について報告書を発表しました。この報告書によりますと、2005年末までで、中国にはエイズウィルス感染者が65万人いて、そのうち、エイズ患者が7万5千人いるということです。この報告は、更に中国でエイズ感染が拡大しており、蔓延する可能性があるとしています。  

　25日に発表された最新データによりますと、エイズウィルス感染者が2003年の報告に比べて19万人減りました。この差が生まれた理由は2003年に、血液を売る者や同性愛者などから出るエイズウィルス感染者を多めに予測したからです。これについて、中国の王隴徳衛生次官は、「2004年、売血、血液を売る者に対して、関連調査を全国で行い、感染者の数が把握できた。また、同性愛者に対して、全国的なエイズ予防キャンペーンを行った。これは同性愛者の中のエイズウィルス感染状況の把握にも役立った」と述べました。

　25日の報告によりますと、2005年に、エイズウィルス感染者が約7万人新たに増えました。エイズ流行は以下の特徴を示しています。まず、感染範囲が広いこと。麻薬使用と性的接触が感染の主なルートとなっていること。患者の死亡率が高いこと。エイズに対して、一般の人々の知識が足りないことなどが上げられます。

　国連合同エイズ計画とWHOの専門家は、初期段階から今回の調査に関与し、中国側の活動を高く評価しました。国連合同エイズ計画北京事務所のレンスドーム代表は、「国連合同エイズ計画とWHOは、中国が2005年に採用した調査方法は妥当で、データも代表性を持っているとしている。中国政府がエイズのもたらした困難に対応するため、積極的にその監視体制を整備したことを高く評価する。現在そして今後も、エイズの監視と抑制において、われわれはこれまでと同じように中国政府を支持していく」と語りました。

　ここ数年、中国政府はエイズを抑制するため、様々な措置を取ってきました。例えば、貧しいエイズ患者に対し、無料で治療することを推進すること。エイズに関する知識を幅広く宣伝すること。コンドームの使用を普及させること。麻薬常用者を特別に治療すること。血液の管理を強化することなどです。これらの措置はエイズ蔓延の阻止に積極的な役割を果たしています。

　関係筋によりますと、「エイズ予防と治療条例」という法規がまもなく公布されます。この条例はエイズの予防と治療における各レベル政府の責任を明確にし、また、エイズの予防、抑制や検査、エイズ感染者とエイズ患者の権利、義務と治療、エイズ予防の保障措置などについて、関連規定を定めました。この条例の公布に関して、エイズ予防と治療の分野の専門家は歓迎の意を示しています。