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韓国外交通商省は10日、「意見の食い違いが存在しているため、韓国とアメリカは10日のソウルで行われた交渉で、韓国駐留アメリカ軍の2007年後の防衛費分担問題に関する協定の合意ができなかった。双方は9月末に再交渉を行う」と発表しました。
これは、今年に韓国とアメリカがこの問題を巡って行った交渉の3回目となっています。前の2回はそれぞれ、5月と6月にアメリカで行われました。今回の2日間の交渉の中で、双方は、韓国駐留アメリカ軍の防衛費総額、防衛費協定の有効期限、協定の主な条項に関する問題について、協議しました。
今回の交渉では、両国の意見の食い違いは主に、2点に絞られています。その一は、両国が韓国駐留アメリカ軍の防衛費の分担比率問題です。韓国は、「韓国駐留アメリカ軍は現在の3万人から2.5万人に減るので、韓国が分担する費用を減らすかそのまま維持するべきだ」としています。一方、アメリカは、「韓国駐留アメリカ軍を削減するものの、駐留軍の維持費用は変わらない。アメリカの法律によると、外国駐留アメリカ軍費用の75パーセントは駐在国が提供すべきだ。しかし、現在、韓国は、韓国駐留アメリカ軍費用の40パーセントしか負担していない。これは経済的大国韓国の地位に合わないだ。このため、韓国は、分担比率を引き上げるべきだ」と見ています。第二は、協定の有効期限です。アメリカ側が、10年間にわたる長期的な協定に調印するよう求めたのに対し、韓国は、「向こう数年は韓国とアメリカの軍事同盟関係を新しく調整する過度期だ。これまでと同様に有効期限2年か3年の協定で調印したい」との姿勢を堅持しています。
韓国駐留アメリカ軍の防衛費を分担することに関する両国の交渉は、韓国とアメリカの新しい軍事同盟関係を調整する重要な一部です。この交渉は、アメリカは全世界の軍事戦略を調整すると同時に、韓国とアメリカの同盟関係も微妙な変化が起きた背景をもとにして、行われたものです。韓国駐留アメリカ軍は、戦略的な柔軟性を持っているため、その性質は既に、もともとの「朝鮮半島を防衛する専門軍隊」から、アジア太平洋全域ひいては全世界の防衛事務に関わる「機動軍隊」に変わりました。アメリカ軍の優れた装備に加え、韓国駐留アメリカ軍は、2008年まで現在の3万人から2.5万人に削減し、そして、2008年にその本部と一部の基地をソウルから京畿道のヒョンテク市に移すことを決めました。これと同時に、韓国は、2012年にアメリカ軍から作戦の指揮権を返すよう提案しました。韓国のノ・ムヒョン大統領は9日、「指揮権の回復は、韓国駐留アメリカ軍の部署の調整と基地のヒョンテク市移住と同時に行われるべきだ。双方の軍当局が協議する必要な問題はまだ、多くあるため、韓国駐留アメリカ軍基地のヒョンテク市移住時間は、2010年ないし2011年の間になる可能性がある」述べました。
韓国メディアの報道によりますと、アメリカのファロン太平洋軍司令官はかつて、韓国は、アメリカ駐留軍本部をソウルからヒョンテク市に移住するために、680億ドルの費用を負担すべきと発言したということです。この数字は、韓国の予想した300億ドルないし500億ドルより、相当離れた数字です。このほか、アメリカ軍は、アメリカ軍基地で働いている1万3千人の韓国人に給料を支給することを韓国に要求しています。アメリカはまた、日本を例に挙げて、日本はアメリカ駐留軍の75パーセントの費用を負担していると述べました。韓国の世論は、「アメリカ駐留軍の費用分担することは既に、韓国の経済に大きな負担をもたらしていた。しかし、アメリカがより高い要求を提案するのは、既に高まっている民間の反米態度を一層激化させるに違いない。こんな状況の下で、韓国政府は、容易に譲歩することはできない。今後の交渉でも、激しい駆け引きがあるに違いない」と見ています。
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