G8・主要国首脳会議がロシアで開幕しました。その後の発展途上国との首脳会合に参加するためサンクトペテルブルク入りした、中国の胡錦涛国家主席は16日午後、アメリカのブッシュ大統領と会談し、中米関係やともに注目する国際問題について意見交換をしました。そこで、今日のこの時間はこのことについてお伝えしましょう。

　会談後の共同記者会見で、胡錦涛国家主席は中米関係の現状を評価し、会談で合意したことを紹介しました。

　胡錦涛国家主席はその中で 「戦略的かつ長い眼で中米関係を取り扱い、両国利益の共通点を拡大し、経済貿易や、エネルギー、科学技術、反テロ、核拡散防止、軍事などの分野で実務的な協力を行なうことで合意している。それに、互いに相手国の注目することを尊重し、両国関係の敏感な問題を適切に解決するよう気を配り、関係の更なる発展を促していく」と述べました。

　これに対し、ブッシュ大統領は、胡錦涛国家主席の４月のアメリカ訪問は成功したもので、重要な成果を収めた」と高く評価し、中国との関係を重視し、両国の協力を進めていきたいと述べ、さらに 「今回の会談は、胡錦涛国家主席が４月にアメリカを訪問した際行なった会談の続きだ」と述べました。

　双方はまた会談の中で、両国の経済貿易協力について話し合いました。これについて胡錦涛国家主席は「双方は、平等互恵の共同発展原則を踏まえ、貿易摩擦を適切に処理すべきだ。中国はアメリカからの輸入をこれからも増やし、知的所有権保護を強めると同時に、人民元の為替制度の改革を進めていく。アメリカ側が、経済貿易における中国の注目することを重視し、対中の技術輸出の規制を緩め、中国企業のアメリカへの投資に公平な環境を作りあげるよう希望する」と述べました。

　ブッシュ大統領は「中国経済の成長は、アメリカ製品の輸出拡大にとってプラスとなり、両国の経済貿易関係は互いに利益になるものだ。市場進出や知的所有権保護における中国側の約束を重視し、両国の経済貿易関係の発展を促していきたい」と述べました。

　台湾問題について、胡錦涛国家主席は、アメリカが「一つの中国」を堅持することを賞賛し、「台湾独立」勢力にあくまでも反対し、それを抑えるよう希望しました。これに対し、ブッシュ大統領は「一つの中国」政策を堅持するアメリカ政府の立場を改めて明らかにし、「台湾独立」につながるいかなる一方的な活動にも反対するとの姿勢を表明しました。

　国際情勢の複雑化に鑑み、両国の首脳はまた、朝鮮半島情勢やイラン核問題、中東和平プロセスなどの問題についても話し合いました。

　胡錦涛国家主席は、朝鮮半島核問題の解決に根本となるのは六カ国協議の再開にあると示し、「私とブッシュ大統領は、朝鮮半島と北東アジアの平和と安定を維持し、六カ国協議を促し、対話と交渉の平和的な方式で朝鮮半島の非核化を実現する姿勢を表明しあった」と述べました。

　これについてブッシュ大統領は「朝鮮半島核問題の平和的解決を望んでいる。チャンスを逃さず、協議を早期に再開すべきだ」と述べました。

　イラン核問題について胡錦涛国家主席は「中国は、核兵器の拡散に反対する。外交と交渉を通じた、問題の適切な解決を主張する。当面の急務なことは交渉の早期再開だ。中国側はこの面で引き続き積極的な役割を果たしていく」と述べました。これに対し、ブッシュ大統領は「外交ルートを通じて、イラン核問題を平和的に解決することに賛成する。イランが、六カ国の提案について早期に返事をするよう希望する」と述べました。