上海協力機構サミットが中国の上海で開かれるのを前に、中国の胡錦涛国家主席が30日、上海協力機構の加盟国の記者の共同取材を受けました。胡錦涛国家主席はその際、「今回の上海協力機構サミットは特別な意義をもっている。これは、ヨーロッパとアジアが持続的な平和と共に繁栄する地域となるために役立つものだ」と述べました。
上海協力機構は中国、ロシア、カザフスタン、キルギス、タジキスタンとウズベキスタンの6ヶ国が、2001年6月15日、中国の上海で発足させた永久的な政府間国際組織です。この機構は、内部的には「相互信頼、互恵、平等、協議、多様な文明の尊重、共同発展の実現」という原則に則っています。また、対外的には、同盟しないこと、その他の国や地域に敵対しないこと及び開放の原則を守っています。今年は上海協力機構成立5周年で、このサミットが6月15日に再び上海で開かれます。胡錦涛国家主席は共同記者会見で、この組織の将来、ヨーロッパとアジア地域が直面する治安問題と上海協力機構が講じる対策、今回のサミットで討議する問題、中国がこの機構の発展に果した役割などの問題について、記者の質問に答えました。
「今回の会期中、各加盟国の指導者は、共にこの機構の将来を討議し、また、政治、治安、経済、人的交流などの分野での協力について突っ込んだ意見を交わすほか、重要な文書にも調印する予定だ。今回のサミットは、上海協力機構がこれまでの5年間の経験をまとめ、現在の国際情勢及びこの地域の情勢を全面的に分析して、この機構のこれからの発展の方向を話し合い、具体的な協力の計画と対策を打ち出す」と語りました。
ヨーロッパとアジアの平和、安全と安定を共に維持することが上海協力機構成立の目的で、この組織の当面の主な活動です。ヨーロッパとアジアが今直面している治安問題について、胡錦涛国家主席は、「上海協力機構が設立されたその日、各国の指導者は『加盟国が協力して共同で、"3つの勢力"を取り締まるという上海条約』に調印した。その後、この地域のテロ取締りセンターを立ち上げた。上海協力機構は、最も早い時期にテロ取締りを唱えた国際的組織の1つで、各国のテロ取締り活動の調整に重要な役割を果たしてきた」と述べました。現在のアフガニスタンの治安問題や麻薬密輸の問題について、胡錦涛国家主席は、「国境を越える麻薬密輸問題やこれに伴う一連の犯罪は上海協力機構が真剣に対応しなければならない重要な問題だ。加盟国は、『麻薬取締り協力協定』に調印したほか、アフガニスタン政府に協力して、麻薬を取り締まっている」と語りました。
上海協力機構が成立して5年間、中国がこの組織の発展にどんな役割を果たしたかという質問に対して、胡錦涛国家主席は、
「この5年間、中国はほかの加盟国とともに、相互信頼を深め、この地域の経済貿易協力の発展に力をいれてきた。また、文化交流なども積極的に行い、この組織の成立と発展に大きな役割を果たしてきた。中国は、これからも、この組織の更なる発展を推し進めていきたい」と強調しました。
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