アメリカ、サウジアラビア、モロッコ、ナイジェリア、ケニア五ヶ国の元首の招きに応じて、中国の胡錦涛国家主席は18日北京を離れ、この五ヶ国歴訪に赴きました。これは今年に入って以来、中国元首の初めての外国訪問です。今回の歴訪を通して、中国とこの五ヶ国の関係が更に強化されるものと期待されています。そこで、今日はこのことについてお伝えしましょう。
中国とアメリカの関係は今日の世界で、最も重要な二国間関係の一つだとされます。胡錦涛氏が国家主席としてアメリカを訪れるのは、今回が初めてです。今回の訪問で最も注目されるのはブッシュ大統領との会談で、このほか、シアトルやワシントン、エール大学を訪問することになっています。今回の訪問について、楊潔チ外務次官はこのほど記者会見しました。
「胡錦涛国家主席はブッシュ大統領などアメリカの指導者と会い、中米関係や共に注目する重大な国際問題、地域問題について意見交換を行なう。このほか、アメリカの議員、政府関係者、商工業界、学者、労働者、学生などと幅広く接触する。また、胡錦涛国家主席はエール大学や、友好団体の歓迎会で演説を行ない、中国の持続可能な発展や、調和の取れた社会の構築、平和発展の道を堅持すること、調和の取れた世界の構築など内外の政策を説明することになっている」と述べました。
台湾問題は中米関係で最も重要で敏感な、核心となる問題で、台湾当局は、「一つの中国」の原則を認める「国家統一委員会」の運用と「国家統一綱領」の適用の終止を強制的に宣言しました。こうした下で、中米両国の会談では台湾問題が避けられない主要な話題となると見られます。これについて、外務省の何亜非外相補佐は「双方の会談には必ず、台湾問題が出る。なぜなら、これは中米関係における重要な問題であるからだ。ブッシュ大統領、そしてアメリカ政府は数回も、一つの中国の政策や中米の三つのコミュニケを堅持するとの姿勢をあらわしている。アメリカ側が今回この立場を改めて強調すると信じている」と述べました。
両国の経済貿易関係も今回の中米会談で重要な議題の一つとなっています。経済貿易協力は両国関係の中で、速い発展を遂げた分野であり、食い違いが多く存在する分野でもあります。しかし、ウィンウィンというのが、ずっと中米経済貿易関係の主流でした。ところで、知的所有権保護や人民元レートなど両国の経済貿易協力に関わる問題に対して、アメリカ側は大きな注目を払っています。アメリカのブッシュ大統領はこのほど、「アメリカと中国の関係は非常に積極的なもので、複雑なものでもある。胡錦涛国家主席の訪問は非常に重要だ。両国には2000億ドルもの貿易赤字が存在しているが、胡錦涛国家主席が人民元レートの問題で態度を示すことを期待する」と述べました。
朝鮮半島やイランの核問題とテロ取締りなどの問題も会談の重要な内容となると予測されています。
アメリカのほかに、胡錦涛国家主席は、サウジアラビア、モロッコ、ナイジェリアとケニヤの四カ国を歴訪することになっています。この歴訪を通じて、中国と四ヶ国の伝統的な友情を深め、政治面での相互信頼を増進し、互恵協力を拡大し、四ヶ国との二国間関係の発展を新たなレベルまで推し進めるに違いないでしょう。
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