中国の胡錦涛国家主席は、昨日(17日)、釜山で開かれたAPEC・アジア太平洋経済協力会議最高経営者会議で、「開放的な発想で、協力共栄を実現させる」をテーマとした演説を行い、地域と世界の共に繁栄する問題について、各国からの企業家たちと交流を行いました。
世界の商工業界は、国際経済貿易関係の発展と安定を促進する重要な力です。アジア太平洋地域の重要な経済貿易協力フォーラム??APECの開催期間中、最高経営者会議を開くのは恒例となっており、その際、各国の指導者が招かれ、演説を行い、政治や経済の政策に関する主張を述べることになっています。
胡錦涛国家主席は、その演説の中で、協力と共栄について次のように述べています。
「現在、中国の発展は世界各国で注目されている。世界が新しい目線で中国を見つめると同時に、中国も重要な問題を考えている。それは、『如何にして、自らの発展を通じて、地域と世界が共に繁栄することに寄与していくのか』ということだ。」
胡錦涛国家主席は、改革開放政策実施して以来、中国経済の迅速な発展、総合的国力の向上、人民の生活状況の改善などについてデーター元に説明し、また、「中国経済の発展は、自国民だけでなく、世界各国にもより多くの投資チャンスとより大きな市場を与えた。中国は、アジア太平洋地域と世界経済の発展を促す力となっている。しかしながら、中国は、依然として世界の最大の発展途上国である。中国は、平和的な発展の道をこれからも歩んでいく。平和な国際環境の中での発展を図る一方、自らの発展を世界平和に寄与していきたい」と述べました。
胡錦涛国家主席は、また、「中国は、引き続き対外開放政策を堅持し、幅広い国際協力をすすめ、投資環境の改善と市場の開放に力を入れ、世界各国と互恵共栄を実現させるため努力する。事実が証明するように、中国の発展は、他国への妨害にならないし、脅威でもない。世界の平和、安定と繁栄にプラスとなる」と語りました。
ところで、経済のグローバル化の深まりに伴い、エネルギー資源と環境問題が目立ち、経済の発展に制限を加えています。また、貿易保護主義が台頭し、世界経済の発展は、多くの困難と問題に直面しているところです。これについて、胡錦涛国家主席は、「今、カギとなっているのは、世界各国が共に努力し、世界エネルギー市場の安定を保ち、世界経済の持続的な発展に十分な、安全、クリーン、経済的なエネルギー供給システムを確立すると同時に、前向きの姿勢で、エネルギー開発を強化し、各国間の協力を強め、エネルギーの利用率を高め、新しいエネルギーの開発と利用を推し進めていくことだ」と述べました。
更に、胡錦涛国家主席は、世界貿易がバランスを取れていないことについて、中国側の立場を述べました。
「ここ数年来、中国の対外貿易が迅速に発展していくに連れて、各国、特に先進国は投資や貿易を通じて、中国市場で多くの利益を獲得した。中国は、対外貿易黒字を求めない。巨大な内需と国内市場は、中国経済の持続的な発展の原動力となった。中国は、対外貿易の増加方式への転換や輸入の拡大、知的所有権保護の強化などによって、世界貿易の持続的な発展に貢献していきたい」と話しました。
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