ルール工業地区はドイツの伝統的な鉱工業基地で、ドイツの経済発展で重要な役割を果たしたことがあります。1960年代、古い産業が衰退し、就職者数が減少したことにより、ルール工業基地では産業の転換に力が入れられ、大きな成功を収めました。また、中国の東北と西部地区の多くの古い工業基地も、いま産業の転換という厳しい問題に直面していますが、これらの工業基地を復興させる方法を見出すために、胡錦涛国家主席はルール地区を視察したものです。
ルール工業地区の産業の変換過程についての説明を聞いたあと、中国の一時帰休者の再就職問題に関心を寄せている胡錦涛主席は、ルール地区の産業構造の変化過程における就職者の配置問題、特に50万人の再 就職状況などを尋ねました。
これについて、ルールグループ傘下石炭企業のノル社長は「以前の鉱工業地区を付属設備の整った企業ゾーンに改造し、多くの企業を誘致してきた。それと同時に、政府は全国最大の職業訓練学院の地元での設立を援助した」と紹介しました。
ルールグループ参観後、胡錦涛主席はルール工業地区にあるエッリンハウセン物流センターに赴き、産業構造の転換当初、ルール工業地区ではインフラ整備に力を入れ、世界で最も完備された陸海空の立体的な交通輸送網を作り上げたことの説明を受けましたが、便利な交通事情によって、ここはヨーロッパの物流センターとなると共に、鉱山労働者の再就職問題を確実に解決したことを知った胡錦涛主席は、「地元の産業構造転換での経験から多くの点で啓発された」と述べました。
その後、胡錦涛主席は今年64歳になる定年退職労働者のトワルデさんの家を訪れ、家族と歓談しました。
トワルデさんは元は、石炭の採掘や、立て坑での機械組み立てをしたりしましたが、中国に輸出されたドイツ設備の据付のため、数回も中国へ行ったことがあります。トワルデさんは胡錦涛主席ら中国から大事なお客さんが来たことを心から喜んでいました。
その際、胡錦涛主席は「今回、ドイツに来て庶民の家を訪ねたいと思っていたが、トワルデさんのような中国人民の古い友人と会えて、非常に親しみを感じた」と述べました。
これに対してトワルデさんは「私は、中国に多くの友人がいる。彼らからよく胡錦涛主席のことを聞いていたので、今日、あなたに会ってもぜんぜん緊張しません」と語りました。
また、トワルデさんの息子さんは「私は、現在ルールグループ傘下の諮問企業での養成に参加しており、これから大学にあがって溶接を専攻するつもりだ」と話していました。
胡錦涛主席は最後に、トワルデさん一家に「中国に是非来てください」と要請したのです。
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