海峡両岸経済貿易フォーラムが14日、北京で開幕しました。出席した中国共産党と中国国民党の首脳は、海峡両岸の経済協力に潜在力が大きく、両岸の同胞がチャンスを逃さず、協力を強化し、共同の利益を拡大して、互恵協力を推し進めていくべきだという点で一致しています。

　海峡両岸経済貿易フォーラムは、中国共産党の胡錦涛総書記と中国国民党の連戦前主席による去年4月の合意によって行なわれたものです。このフォーラムは、両岸の経済貿易交流と直航便の開設を主なテーマとし、加えて、農業協力、観光、金融などの5つの議題について話し合います。

　中国共産党中央政治局常務委員会の委員で、中国全国政治協商会議の賈慶林議長はフォーラムの開幕式で講演を行ない、平和的で安定した両岸関係の構築は、交流の強化から始めるべきだとの考えを示し、両岸の経済協力の拡大について四項目の提案を出しました。

　「まずは、人民のために利益を図ることを出発点とし、両岸経済の共同発展と繁栄を実現させること。第二は、直航便の開設を突破口として、両岸の経済関係正常化へ向けた新しい局面を切り開くこと、第三は、技術レベルの向上と競争力の強化を重点とし、両岸経済関係の持続的で健全な発展を促すこと、第四は交流の強化を通して、互恵協力を促そうとする両岸の力と智恵を結集することだ」と述べました。

　海峡両岸の経済協力と交流は20数年の発展を経て、かなりの基盤と規模を持っています。去年末現在、大陸側に投資した台湾企業は5万社を超え、直接もしくは間接の貿易は累計5000億ドルを超えており、台湾にとって祖国大陸は最も大きな輸出先であり、貿易黒字も最大の地域となりました。

　両岸の経済協力は良好な発展を見せていますが、人為的な障害と政治的障害が依然としてあります。両岸の貿易関係が正常化できず、両岸貿易がアンバランスである。また、資金と貨物の輸送が間接的に行なわれざるを得ず、大陸側の企業は台湾へ投資できないなどといった問題があります。

　全国政治協商会議の賈慶林議長は開幕式で行った講演で、「中国共産党と中国国民党が築いた交流のチャンネルは、幅広く、またテーマも開放的である。両岸同胞の福祉の増進に有利となり、両岸交流や両岸関係の安定した発展にプラスとなるテーマならば、何でも検討できる」と述べました。

　一方、中国国民党の連戦名誉主席は、「2000年、民進党が政権を握った。民進党が決めた台湾の政治的地位の位置づけは、台湾経済の発展の需要に答えられず、厳しい矛盾、摩擦が起きている。こうした状況の下で、『政府』は玄関を閉じたものの、人民は玄関を開いたと、私は言わねばならない。これまでの6年間で、台湾には明確な二極化が現れた、つまり、両岸関係について、『政府』は冷たいが、民間は熱意を持ち、また政治関係は冷たいが、経済交流が盛んだということだ。去年、海峡両岸の貿易額は934億ドルに達し、教育、文化などの交流が進み、人的往来も410万人に達した。台湾の果物も大陸に進出するようになった。旧正月のチャーター便も拡大され、情報産業の標準化も進んだ。これらすべてが特筆すべき現象である」と述べました。

　今回のフォーラムには両岸から500人余りの関係者が参加しています。