イラク中部サマラで22日、イスラム教シーア派の聖地「アスカリ聖廟(せいびょう)」が爆破され、黄金のドームが崩壊しました。この事件は、国際社会で大きな反響を呼んでいます。
事件を受け、イラク移行政府のタラバニ大統領は、「事件の計画者は、宗派の衝突を煽るつもりだ」とみており、「聖廟の修復に全力をあげる」と表明しました。ジャファリ首相は3日間の服喪(ふくも)を宣言しました。
シーア派最高権威のシスタニ師は、「冷静な抗議」を民衆に呼びかけ、シーア派の指導者サドル師も、冷静な対応を呼びかけ、スンニ派モスクへの攻撃をしないよう声明を出しました。さらに、イスラム聖職者協会のクバイシ師も、
爆破事件を非難したほか、「イラク駐在の外国の軍隊も責任を負うべきだ」と表明しました。
国連のアナン事務総長、アメリカのブッシュ大統領、イギリスのストロー外相もそれぞれ、事件を非難し、事態の悪化を防ぐため冷静に対応することを呼びかけました。
現在、死傷者は確認されておらず、犯行の声明も出されていないが、イラク当局によりますと、治安部隊は、今回の事件に参与していたと見られる容疑者3人を逮捕したということです。
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