日本の与党自民党がこのほど新憲法草案を発表し、国会に提出しようとしています。その核心的内容は、現憲法が定めている日本が軍隊を保有しないとの項目を削除することです。国際社会、特に日本の隣国の人々は、この動きに強い関心を寄せています。中国外務省の劉建超スポークスマンは、24日声明を発表し、「歴史的原因から、アジア各国は日本の憲法改正に注目している」とした上で、「平和的発展を堅持することは日本の根本的な利益となるだけではなく、この地域の平和、安定と発展にとってもプラスである」と中国側の主張を述べました。
20世紀3、40年代に日本の軍国主義は、対外拡張政策の実施により、アジア諸国を侵略し、この国々の人たちに深刻な被害をもたらしました。第二次世界大戦後の1947年、日本は憲法を制定し、その第9条で、「軍隊を持たず、戦争を放棄する」ことを明記しました。日本国憲法は「平和憲法」と呼ばれ、この第9条は、日本の内政や外交政策の基礎となっています。「平和憲法」は、戦後日本経済の発展において、かけがえのない役割を果たしたといえるでしょう。しかし、ここ数年来、日本の経済力の向上や政治の右翼化傾向が進むに従って、日本は敗戦の影から脱出し、政治大国になろうとしています。日本の自衛隊は、事実上の軍隊となっており、その軍事力はアメリカに次ぐ二番目となりました。そのほか、「周辺事態法」など一連の法律を制定し、自衛隊の海外派遣に対して法律的保障を与えました。
今月22日、自民党は立党50周年記念党大会を開催するにあたり、新憲法草案を正式に発表しました。草案は、現憲法の「軍隊を持たず」との項目を削除し、その代りに、「国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため」として「自衛軍の保持」を明記しました。また、海外への軍隊の派遣も盛り込まれています。
自民党の新憲法草案は、世界に次のような意志を伝えているとされます。つまり、軍隊を保有し、国の交戦権を認め、軍隊の海外派遣が合法化されるということです。日本は、憲法改正の歩みを加速させていて、自身に必要防衛力をかなり超えているといえます。また、様々な機会を利用して海外に自衛隊を派遣することなどにより、日本は終戦の時から貫いてきた平和主義から遠く離れていきつつあります。
現在、日本国内で起きている変化について各国は懸念を示しています。その一つは、政治面では、右翼化が進んでいること。この勢力が日本の事実上の巨大な軍事力と結びつけば、アジア及び世界の平和と安定にどんな影響を与えるのか。これは憂慮すべきことです。もう一つは、日本は、今日に至っても、かつての軍国主義が関わった歴史を正しく認識しておらず、日本の指導者の靖国神社参拝をはじめとする問題は、日本とアジア各国の健全な関係発展を阻害しているということです。人々は、日本が歴史的教訓を真に受け取り、平和的発展の道を歩んでいけるのかについて疑問を持つのが当然といえるでしょう。
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