日本の小泉純一郎首相は10月31日午前、第3次改造内閣を発足させました。新しい閣僚は当日、記者会見で「小泉路線の改革の続行に全力を尽くす」との考えを表明しました。
日本政治のオブザーバーは「小泉首相の今回の改造内閣は二つの目的がある」と指摘しました。
まず、小泉路線の続行のために道をつけます。2001年に就任して以来、小泉首相は「改革しなければ、経済成長を実現できない」という考えを提唱し、民間が主導する経済の構造改革に力を入れています。しかし、その改革の道はあまり順調ではありません。自民党内外の反対勢力を挫くように、小泉首相は独裁的政治手法で、しっかりとした改革者のイメージを売り物にして9月の衆議院選挙で圧倒的な勝利を収め、更に国会で郵政民営化法案を採択させました。郵政民営化法案の核心となる経済の構造改革を進め、1年足らずの任期内に、行政と財政、公務員制度、医療制度、年金制度などの一連の改革を進めるため、小泉首相は今回の内閣改造を通じて、郵政民営化改革を一貫して堅持している閣僚6人を留任させ、また、その改革路線を堅持する人を入閣させました。
また、小泉首相は「来年9月、任期満了になった時退任する」と何回も明らかにしました。今回の内閣改造のもう一つの目的は次の首相候補を物色し、閣僚達に自分の才能を示す機会を与えます。このため、今回の改造内閣では、世論が首相候補とみている4人の中の3人を新内閣に入れ、穏健派の福田康夫前官房長官は入閣しませんでした。若手の安倍晋三議員は外交で強硬路線を堅持し、小泉首相の靖国神社参拝を支持し、初めて官房長官に任命されました。また、靖国神社参拝を同様に支持する麻生太郎氏も外務大臣に任命されました。新閣僚の入閣に伴い、小泉首相の靖国神社参拝に反対する声が小さくなると見られています。安倍晋三官房長官は31日、記者会見で「過去、小泉首相と同様に靖国神社を参拝した。今後も参拝し続けるという意向を示しました。
専門家によりますと、今回の改造内閣は安倍晋三官房長官、麻生太郎外相、谷垣禎一財務相などに「ポスト小泉時代」の首相職を競争させます。現在、平和憲法の改正などによって、日本とアジア諸国の関係は微妙な時期に入ることになり、麻生外相がうまく対応できれば、首相候補の競争においてリードする可能性があります。また、谷垣禎一財務相はこの競争で政府金融機関の改革、増税などの問題で試練に直面しています。世論は「安倍晋三氏は官房長官の職務で大きな成果を収めることは難しい」と見ています。
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