ドイツの社会民主党(SPD)とキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が5日、連立政権発足に向けた3度目の協議を行い、次回のトップ会談で首相問題解決で合意に達しました。これを受けて、専門家たちは、連立政権の発足に重要な一歩を踏み出したと見ています。そこで、今日のこの時間は、これについてお話いたしましょう。
社会民主党のシュレーダー首相とムエンテフェリング委員長、キリスト教民主・社会同盟の首相候補であるキリスト教・民主連盟のメルケル党首、キリスト・社会連盟のシュトイバー党首らは5日午後、二時間にわたる協議を行いました。会議後、双方は、今回の協議で連立政権の発足に関係する具体的な問題で合意に達したと発表し、連立政権の将来に対して、楽観的な見方を示しました。
この中で、キリスト教民主・社会同盟の首相候補であるキリスト教・民主連盟のメルケル党首は、「今回の協議の成功は、双方がドイツ国内情勢を分析し、問題解決の政治目標において、認識が一致したことを表している」と述べました。また、社会民主党のシュレーダー首相は、「協議によって、双方が連立政権に向って、重要な一歩を踏み出した。双方の数回にわたる協議は、連立政権の基礎があることを証明している」とした上で、連立政権の成立に妨げはないと再び強調しました。
それより、社民党とキリスト民主・社会同盟は、連立政権の成立の可能性について、9月22日と28日に二回協議を行ってきましたが、「どの党派から首相を出すのか」という問題で食い違いがあったので、会談は不調に終わり、ドイツの政治も膠着状態に陥りました。そこで、双方の指導者は、三回目の協議で、「内閣成立についての正式な交渉を行う前に、シュレーダー首相、ムエンテフェリング委員長、メルケル党首、シュトイバー党首四人だけで会議を開き、この問題を解決していくことで合意に達しました。第三回協議に参加した関係者によりますと、この四者会談は、6日の夜に行う可能性が高いということです。首相問題を解決した後、双方は、内閣成立を踏まえ、協議を始める予定です。シュレーダー首相は、連立政権の成立を妨げないと再三強調しているので、キリスト教民主・社会同盟の首相候補のメルケル氏は、首相になるだろうと見られています。
ドイツ国内のメディアは、社民党とキリスト教民主・社会同盟が当日の協議で合意に達したことに歓迎の意を表し、「ドイツにとって、この日は、よい日だ。それによって、ドイツは、現在の膠着した政局を打破し、重要な一歩を踏み出した」と今回の協議を評価しました。
振り返ってみますと、9月18日ドイツ選挙の結果が発表されて以来、政局が混迷し、各政党は如何にして、連立政権を発足させるのかについて食い違いが大きく、次期政府の樹立はなかなか実現できませんでした。政治面での行き詰まりは、ドイツの経済に悪影響を与え、また、EU欧州連合の一体化にもマイナスとなります。こういう状況の中で、ドイツ社会の各界とEU各加盟国の指導者は、一日も早く新しい政府の構成問題を解決し、膠着した状態から抜け出すようドイツの各勢力、特に社民党とキリスト教民主・社会同盟に呼びかけています。この二大政党が5日に協議を合意させたことは、1966年以来のドイツ大連立政権の樹立は、近いことを意味しているとみられています。
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