8月15日は、日本敗戦60周年の記念日です。日本各界の人々は談話を発表したり、様々な行事を行ったりして、この日を記念しました。この中で現れた60年前に終結した戦争に対する様々な見方は、現在の日本で、異なった歴史観が激しくぶつかり合っていることを映し出しています。
当日、日本の各政党はそれぞれ談話や声明を発表し、日本の侵略の歴史に対する深い認識と反省を表しました。
日本の最大の野党である民主党は「日本はかつて戦争への道を選び、アジア諸国に対して、植民地統治と侵略によって、大きな損害と苦痛を与えた。率直な反省と謝罪の気持ちを決して忘れてはならない」と述べました。
同じく野党である日本共産党は、「軍国主義の起こしたあの戦争は、日本がアジア諸国の領土と資源を支配する目的で遂行し、アジアの人々の命を奪った侵略戦争だ。政府が侵略戦争を正当化するような行動を取れば、日本はアジアで生きてゆく道を失う」との考えを示しました。
野党の社民党は、「時計の針を逆戻しするかのような動きが、戦後60年の節目の年に進行していることに、強く警鐘を打ち鳴らさずにはいられない。事実を直視し、真摯に反省することなくして、アジアの人々から信頼されるはずがない」との考えを示しました。
同時に、日本平和遺族会全国連絡会が主催した「小泉首相の靖国神社参拝に反対する」平和集会が15日午前、靖国神社周辺で行われ、遺族代表、国会議員及び在日韓国人ら数千人がデモ行進に参加しました。その他、日本の民間団体「平和戦争展実行委員会」も12日から、一連の戦争写真展を行い、日本侵略者が第二次世界大戦で起こした様々な犯罪行為を暴露しました。
15日午前、日本政府の閣議の後、小泉首相は、「我々は、かつて、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた」として、「痛切な反省と心からのお詫びの気持ち」を表明し、「平和国家の道を堅持し、各国との信頼関係を推し進めるべきだ」との声明を発表しました。
声明は、日本が過去の植民地支配と侵略によって多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に多大な損害と苦痛を与えたと認めた上、日本はこうした歴史の事実を謙虚に受け止め、改めて痛切な反省及び心からのお詫びの気持ちを表明すると共に、その大戦におけるすべての犠牲者に謹んで哀悼の意を示しました。
この声明はまた、日本は過去を直視して、歴史を正しく認識し、アジア諸国との相互理解と信頼に基づいた未来志向の協力関係を構築していきたいと強調しました。
しかし、小泉首相はその声明の中で、今後、14人のA級戦犯の祭られている靖国神社を参拝するかどうかについて、はっきりと言明していません。『毎日新聞』の調査によりますと、小泉首相の靖国神社参拝に反対と答えた日本国民は51%に達しています。小泉内閣の閣僚である中川昭一経済産業相は14日午前参拝したのに次いで、小池百合子環境相、尾辻秀久厚生労働大臣も15日昼、私人の身分で参拝し、また、安部晋三自民党幹事長代理などの国会議員も靖国神社を参拝しました。
早くも8月1日、『読売新聞』と右傾の『産経新聞』は、「8月15日、20万人による靖国神社参拝」を呼びかける全面広告を同時に掲載しました。しかし、この広告の発起人である石原慎太郎東京都知事などの意思とは裏腹に、日本の右翼が期待していた大規模な参拝の場面が現れていませんでした。
以上のことから分かりますように、日本はその敗戦60周年の記念日を迎えた際、異なる歴史観が激しくぶつかり合っています。今後、平和発展の道を歩むか、軍事力を強化する道を歩むのか、日本は今一度歴史の重要な分岐点に立っていると言えます。
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