第21回東京国際映画祭コンペティション部門に出品されている映画「超強台風」(馮小寧監督)の公式上映が20日午後、東京で開催された。馮監督は多額の費用を投入してこの中国版大型ディザスター・ムービー(パニック映画)を制作した。一方、細かいことにこだわる日本の観客は、災害場面の多くの細部について馮監督にとことん追求した。上映後の観客との会見で、「子犬がどうして生き延びられたのか」といったような日本人観客の細かい質問に、馮監督は面食らった様子だった。突然の意外な質問の連発に、答えに詰まる場面もあった。「新聞晨報」が伝えた。
映画「超強台風」は、2006年に中国南東部沿海に上陸した台風「桑美(サオマイ)」を題材に、5000万元という巨額投資によって特撮を駆使して制作された。馮監督は、来日前の取材で、この映画で、「デイ・ アフター・トゥモロー(The Day After Tomorrow)」など海外大型パニック映画に挑戦したいと意気込みを示していた。20日の東京での上映では、確かに多くの観客を魅了した。日本のような自然災害の多発国では、パニック映画は昔から人気が高いジャンルだ。
しかし、「超強台風」上映後、特に大きな反響は無かった。それほどの「恐怖」は感じなかったと取材に答えた観客もいる。災害気象の経験豊富な日本の観客の中には、映画の細部に納得できなかった人もいたようだ。観客との会見時に、「台風で吹き飛ばされた子犬がどうして生き延びられたのか」という質問が出た。馮監督はこれに対し、「『超強台風』は中国で実際に起きた台風災害事件を題材としている」と説明した。犬の問題については、自身のやや行き過ぎた理想主義を認め、「私は、子犬と主人公の再会を映画のラストシーンに持って来たかった。災難のなかにある一縷の望みを描きたかったからだ。1匹の子犬でも、生き延びさせたかった。私達は災害に対して畏敬の念を抱くべきだが、さらに大切なことは、災害と立ち向かい、自分自身を守る術を身につけることだ」とコメントした。 「人民網日本語版」
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