日本語題:ヤンヤン 夏の想い出
英語題:yiyi
【キャスト】
ジョナサン・チャン(ヤンヤン役)
ウー・ニエンジェン(父親役)
ケリー・リー(姉役)
イッセー緒方(大田さん役)
【スタッフ】
監督:台湾の楊徳昌(エドワード・ヤン)
2007年6月29日、結腸がんによる合併症のため亡くなりました。
1947年上海で生まれ、2歳のとき家族とともに台湾に移住しました。台湾交通大学とアメリカ・フロリダ大学でエンジニアリングを学んでいましたが、その後、映画制作に興味を持ち、南カリフォルニア大学に入学。しかし、すぐに中退し、しばらくアメリカで電気関係の仕事をしていました。その後、台湾に戻り、脚本家として映画界入り。以来ずっと、台湾を拠点に活動をしていました。
【主な監督作品】
恐怖分子 (1986)
クーリンチェ少年殺人事件 (1991)
エドワード・ヤンの恋愛時代(1994)
カップルズ(1996)
ヤンヤン 夏の想い出(2000)
【ストーリー】
これは、8歳の少年"ヤンヤン"とその家族の姿を描いた映画です。
物語は、ヤンヤンの伯父さんの結婚式の場面から始まります。この日は、家族にいろんなことが起こります。ヤンヤンのおばあさんが倒れたり、ヤンヤンのお父さんが、披露宴が行われたホテルで初恋の女性とばったり出会ったり。その後、お父さんは仕事で東京に出張するのですが、東京でもその初恋の人と再会します。一方で、台北では、ヤンヤンの姉・ティンティンが生まれて初めてデートを経験するなど、家族はそれぞれ動き出します。
【レビュー】
エドワード・ヤン監督2000年の作品。エドワード・ヤンといえば日本でもファンが多い監督で、『カップルズ』『クーリンチェ少年殺人事件』『エドワード・ヤンの恋愛時代』などといった代表作が日本でも多く公開されています。7年前にガンを患い、闘病生活を続けていました。6月29日、アメリカ・カリフォルニア州にある自宅で息を引き取ったということです。この作品は、彼の遺作にして、彼の代表作のひとつでもあります。この作品で、エドワード・ヤンはカンヌ国際映画祭で監督賞を受賞しました。3時間近くある長い作品ですが、監督の思いがぎゅっと詰まった作品だと思います。
劇的な展開はありませんが、日常的な生活の中で成長していく家族の姿を描いた作品となっています。非常に淡々と物語が進んでいく中で、お父さんが初恋の人と再会して気持ちが揺れたり、ヤンヤンがやたらマイペースだったりと、ひとつの家族なのに、みんなそれぞれの世界があります。人間ってほほえましいなあと思ったり、せつないなあと思ったり、いろいろな気持ちを抱かせてくれる映画ではないかと思います。
(編集:ミン亦氷)
|