
【ストーリー】
1928年、ひとりの中国人青年が日本へやってきます。彼の名前は呉清源。清源はすでに囲碁の天才少年として中国で名を知られていましたが、本格的に囲碁の世界に飛び込むため来日を果たしたのです。以来、日本囲碁界で活躍、1936年には日本へ帰化しますが、当時は暗い戦争の時代。やがて日本は中国への攻撃を始めます。日本国籍を持つ清源は、日本人として兵役につくことになりますが、昔患った肺結核のため、結局兵役は免除されてしまいます。
自分は一体何者なのか。日本人なのか、中国人なのか。清源はアイデンティティを失い、一時、囲碁の世界から離れます。しかし、「自分の居場所はやはりここしかない」と、復活を遂げます。激動の歴史を背景に、呉清源の心の葛藤を描いた作品となっています。
【レビュー】

今年は中日国交正常化35周年。映画の世界でも、中日合作作品が増えています。そのなかでも「呉清源」は注目の作品です。中日の人気俳優がそろって出演しています。
囲碁が好きな方なら、ピンと来たと思います。史上最強の囲碁棋士と呼ばれる呉清源さんの半生を描いた作品。日本でも活躍されている方なので、リスナーの皆さんも、もしかしたらご存知かもしれません。1914年、中国福建省生まれ。子供のころから父親に囲碁を学び、14歳で来日。その後、日本囲碁界の第一人者に登りつめました。1983年に引退したものの、90歳を過ぎた現在も、後輩たちの指導に当たっています。
ちなみに、今回のせりふはほとんど日本語なので、日本の皆さんにも親しみやすい作品だと思います。チャン・チェンの日本語での演技にも注目してほしいです。
日本ではこの秋公開予定です。
(編集:ミン亦氷) 1 2
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