「中国ロックの父」と呼ばれるアーティスト・崔健が中国の音楽シーンに現れたのが1987年ごろ。それから20年、今や、中国でもロックファンが増え、あちこちでロックフェスティバルが開かれています。
そんななか、中国最大規模の野外音楽フェスティバルといわれる「MIDI音楽祭」が、今年も5月1日から4日まで、北京市郊外の海淀公園で開催されました。7回目となる今年は、中国をはじめ、イギリス・アメリカ・デンマーク・ノルウェー・ドイツなど、国内外のアーティスト100組近くが出演、のべ8万人を動員しました。
この「MIDI音楽祭」に、日本から参加したのが「EVERSET」というロックバンドです。
2003年、ファーストシングル「STAND BY ME」を発表。以来、シングル3枚、アルバム3枚をリリースしています。日本では、年間100本以上ライブをこなしており、ライブでのパフォーマンスが高く評価されている注目のバンドです。
「EVERSET」のステージには、中国の音楽ファンも大注目。ステージ前には数百人の観客が集まっていました。初めこそおとなしかった客席でしたが、曲の合間に、メンバーが中国語で「イーチーヤオグンバ(一緒にロックしよう)!」とあおると、一気にヒートアップ。大きな声で声援を送り、みんな全身で、日本のロックに酔いしれていました。
ライブを観にきたある観客は、「日本の音楽というと、浜崎あゆみさんや中島美嘉さん・・・Jポップのイメージが強かった。でも、こんなにパワフルでいいバンドがいることを知り、日本のロック界に興味を持った」と興奮気味に語っていました。
「音楽は国境を越える」とよくいいますが、改めて、音楽が持つ力を目の当たりにさせられたステージでした。「EVERSET」のメンバーも、「不安もあったが、自分たちの音楽やメッセージが中国のみなさんの心に届いた」と手ごたえを感じていました。日本のアーティストが中国へ、中国のアーティストが日本へ。そんな動きがこれからもっと盛んになってほしいと願わずにいられません。(取材・文/末永由希 写真提供/スターフィールドミュージック)
EVERSET公式HP http://www.everset.jp/
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