<日本語題> 飛び魚を待ちながら
<英語題> FISHING LUCK
【キャスト】
王宏恩(ワン・ホンエン/青年役)
台湾の原住民のひとつ、ブヌン族出身の人気歌手。
台湾の少数民族というと、ピュマ族出身の人気女性歌手・張恵妹(アメイ)、それに、民族風ロックで人気の「パワーステーション」というバンドもいます。彼らは伝統的に歌や踊りの文化を受け継いでいます。台湾にはこうした少数民族出身の歌手がたくさんいます。
そして、この王宏恩。彼はなかなかの実力派で、2000年に初のCDアルバム「獵人」でデビュー。その後、第13回金曲奨(台湾のグラミー賞)で最優秀方言男性歌手賞(2002年)、第16回金曲獎で最優秀作曲賞(2005年)を受賞しています。また、2005年には、台湾・公共テレビ制作のドラマ「風中緋櫻」(2002年)に出演しています。「飛び魚を待ちながら」は映画初主演作です。これからぜひ注目していただきたい歌手のひとりです。
リンダ(女の子役)
人気歌手。本名は廖珮伶、1981年生まれ。カナダのクィーンズ大学を卒業し、2002年にソニー・ミュージックから歌手デビュー。これまでにCDアルバム「7号Linda(7番目のリンダ)」「我挺ニー(サポート・ユー)」を発表しており、MTVチャンネル「VJ」で自身の番組「Fresh新掀貨」を持つ台湾の人気アイドル女性歌手です。
【スタッフ】
監督:台湾の女性監督・曾文珍(ツェン・ウェンチェン)
1968年生まれ。1990年代から、「水―地沉下去了(地盤沈下)」をはじめとする数々のドキュメンタリー映画を発表しています。2002年の台湾国際ドキュメンタリー・ビエンナーレで台湾賞、そして、台湾のアカデミー賞に当たる第39回金馬獎で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞しています。この「飛び魚を待ちながら」は、彼女にとって初の劇映画作品となります。ドキュメンタリー界で活躍してきた女性監督ですから、リアルな映像が楽しめる作品となっています。そのへんの監督の手腕にはぜひ注目してください。
【ストーリー】
台湾沖に浮かぶ美しい離島・蘭嶼(ランユ)島を舞台に、原住民の青年と台北から来たOLとの切ない恋物語を描いた映画です。蘭嶼島は台湾本島の南東沖にある周囲40キロの小さな島。ここには原住民のタオ族が暮らしており、火山の島なので、自然が非常に美しい場所でもあります。タオ族の人たちは、タロイモ栽培や漁業で生計を立てていますが、この近辺ではトビウオ漁も盛んです。
この島に、ジンという女の子が仕事で台北からやって来ます。ジンは地元の青年・べホンと出会います。都会と異なる南国生活のなかで、ジンの人生観は少しずつ変わっていきます。そして、彼女もべボンの生活を少しずつ変えていきます。2人の間には、かみ合わないところがいっぱいありますが、徐々に気持ちを寄せ合っていきます。そんな2人の姿を爽やかに描いた作品で、違う環境で育った2人がどのようにぶつかっていくのかが見所です
【レビュー】
この作品は去年、東京国際映画祭や福岡映画祭に出品され、日本で話題を呼んでいた台湾映画です。青い空と青い海が印象的な作品で、画面がとても美しい作品ということで、日本でも評判がよかったようです。主演は、2人とも人気歌手。
(編集:コオリ・ミン)
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