80年代、中国の4大古典小説のひとつをモチーフにしたテレビドラマ『紅楼夢』が放送され大ヒットしたことは、今でも人々の記憶に残っています。小説のキャラクターイメージを追求するため、俳優選びでは、プロに限らず素人も起用されましたが、これが大成功を収めました。
また、ドラマの撮影のために作られたオープンセット・大観園は、今では北京の有名な観光地の1つとなっています。大観園は北京南部の宣武区に位置しており、もともと明・清の時代の皇室専用の野菜畑でした。1984年、ドラマ『紅楼夢』の撮影のため、紅楼夢学者や古代建築専門家、歴史学者の討議によって、小説に描かれている大家族の住宅「賈府」をここに再現したのです。今は、毎年『紅楼夢』関連イベントが開かれ、北京市民たちをひきつけています。『紅楼夢』ファンもよくここに足を運んでいます。
ここ数年、このドラマをリメイクしようという声が多く出ていましたが、なかなか実現できずにいました。しかし、今年8月、北京テレビ局、中国映画ドラマグループなど4社の共同出資により、いよいよ全50回のリメイク版製作が決まりました。
11月、全世界の中国人を対象に、出演者オーディション活動「紅楼夢中人」が正式に始まりました。このオーディションでは、賈宝玉・林黛玉・薛宝釵などメインキャストのほか、100人あまりが選ばれる予定です。北京・上海・成都・深センなどで地区予選を行うなど、全国規模で出演者を募集しています。容貌・声・演技力のほか、小説『紅楼夢』に対する理解も審査内容に含まれています。今、このオーディションがまさに展開中です。北京の大観園で行われた1次予選には、3000人の応募者が殺到しました。さらに、12月4日、面接試験が行われ、1次予選を通過した600人が北京の大観園に集まりました。候補者たちの総合能力をチェックするため、面接試験はより厳しく行われました。『紅楼夢』に関する基礎知識や特技の披露のほか、台詞の朗読、演技力試験などがありました。
このオーディション活動は、来年6月頃まで続く予定だということです。なお、新リメイク版『紅楼夢』は、2008年前後に放送される予定です。
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