台湾の話題の新人歌手・NO NAME。この"NO NAME"という名前、直訳すると「名前がない」。実にユニークな芸名ですが、何でこういう名前にしたのでしょう?
それは、彼のデビューまでのいきさつと関わっています。彼の本名は"余憲忠"といい、もともと普通のサラリーマンだったそうです。それが、2000年、あるコンテストで優勝し、レコード会社EMIと契約を結ぶことになります。その声があまりにも魅力的だったので、レコード会社は「声だけで勝負できる歌手にしたい」ということで、メディアに顔を出さない方針を打ち出しました。それで、彼の芸名も「NO NAME」になったのです。
NO NAMEは、次のようなエピソードを披露してくれました。「ファーストアルバムをリリースしたとき、ミステリアスなイメージで行こうと、メディアに顔を出さない契約を結んだんです。CMなどの出演依頼も一切お断りしていましたね。でも、1回だけ、危なかったことがあるんですよ。知り合いと一緒に食事に行ったのですが、実は、その人はレコード会社のおえらいさんと知り合いで。後日、レコード会社側に、『先日、あなたのところの歌手と一緒に食事をしましたよ』って言っちゃって、大問題になったんです。結局、事なきをえましたが、契約違反の罰金が2000万元だったので、今思い出しても、冷や汗ものですよね」
ちなみに、彼のファーストアルバムは、その名も『NO NAME』。最近はポップなかんじの曲が多い中華圏の音楽シーンですが、彼の歌声は非常に新鮮な感じがします。仕事で疲れたときに聞くと、リラックスできます。
彼の声は、「平井堅の声に似ている」と言われることが多いのだそうです。それについて、本人は「平井堅さんは、私の好きな歌手なので、そう言われると、本当にうれしいです。でも、高音の部分はちょっと似ているものの、やはり声質は違うと思います。たとえば、低音の部分とか。また、音楽性も違いますしね…」と言っています。
NO NAMEは最近、セカンドアルバム『慢慢愛(ゆっくりと愛する)』をリリースし、そのジャケット写真に初めて登場しました。インタビューの時に実際話してみて、とても優しい方だと思いました。音楽に対する情熱も相当なもので、音楽の話になるととまらないのが印象的でした。
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