たまねぎ
たまねぎを切って涙が出るのは、揮発性の催涙物質が含まれているためですが、この催涙物質から作られ、香り成分であるイオウ化合物のアリシンは、疲労回復や集中力、体力のアップに効果があります。アリシンは、体内でビタミンB1の吸収を高めて、ビタミンB1のはたらきを長時間持続させる効果があります。たまねぎの辛味成分である硫化プロピルもイオウ化合物です。これらのイオウ化合物には、血液をサラサラにして、コレステロール値や中性脂肪値、血糖値を正常にするはたらきがあり、高脂血症や糖尿病の方にはベストな食品のひとつです。
たまねぎを加熱すると、硫化プロピルが変性して、トリスルフィド/セパエンという成分になりますが、これもコレステロールや中性脂肪を減らして動脈硬化、高血圧に有効です。
たまねぎの皮に多く含まれる色素成分ケルセチンは、ポリフェノールの1種のフロボノイドで強力な抗酸化作用があり、悪玉コレステロールの酸化を防止して、血液をサラサラにします。また、ケルセチンには脂質と結合する作用もあり、腸内の脂肪と結びついて脂肪を固めて排泄します。古くから漢方では薄皮を3カップの水で半量になるまで煎じたものを1日3回に分けて空腹時に飲むことを血圧が高い方にすすめてきました。
夏バテのときや疲労回復として食べたいなら、ビタミンB1を多く含む食材(豚肉やうなぎ、かつお、大豆製品など)と一緒に食べるとビタミンB1の吸収率が高くなります。
ブロッコリー
ブロッコリーはβ-カロテンやビタミンB群、ビタミンC、Eを多く含むほか、カルシウムやカリウム、鉄などのミネラル、食物繊維も豊富と、とっても栄養的に優秀な食材です。とくに、ビタミンCの含有量は特筆もので、1回あたりの使用量比較ではナンバー1です。ビタミンCはコラーゲンの生成にはたらき免疫力を高めて、風邪やがんの予防に効果があります。ビタミンEは過酸化脂質を分解して、活性酸素から細胞を守り、動脈硬化やがんの予防、老化防止に役立つ栄養成分。β-カロテンもブロッコリーには豊富で、必要に応じて体内でビタミンAに変わりますが、変わらないβ-カロテンは強力な抗酸化作用でがん予防に有効です。
ビタミンB2も多く、脂質や糖質の代謝にはたらきます。ビタミンB2はほかに過酸化脂質の生成を防いで、動脈硬化や高血圧の予防にも役立ちます。ブロッコリーには葉酸も多く含まれるので、妊娠中の方はたくさんとるよう、医師から指導される食品です。
また、ブロッコリーには、血中コレステロール値を下げて善玉コレステロールを増やす葉緑素(クロロフィル)も含まれています。ほかに、紫外線の活性酸素から目を守るルティン、食道、肺、肝臓のがん予防が期待できるイソチオシアナート、抗酸化作用を持つミネラルで老化防止やがん予防に効果があるセレン、高コレステロールや高血圧の改善に有効な食物繊維などが、ブロッコリーの主な栄養成分として挙げられます。
ブロッコリーに含まれる豊富なビタミンCを効果的に摂取するには、たんぱく質やビタミンE、カルシウムと組み合わせるのが料理のコツです。ビタミンCはたんぱく質と組み合わせれば美肌や抗ストレスに、ビタミンEと組み合わせればがん予防に、カルシウムと組み合わせればイライラの解消や骨の強化に有効です。
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