2000年に入ってから、中国中部の湖北省恩施トウチャ族ミョウ族自治州では、メタンガスの利用を主とした郷里の建設に努め、生態環境を保護し、地元住民の生活を改善しています。
メタンガスは人間や家畜の糞や尿、農作物の茎、草などが発酵して出来る可燃気体です。
恩施トウチャ族ミョウ族自治州は湖北省の西南部にあり、天然林や森林を耕地に回復する重要な保護地域で、2000年から、農村部では、メタンガスの利用技術を全面的に普及しました。
ここの下埧村では、どの家庭にも、メタンガスの池があり、深さは2メートルぐらいで、体積は一人当たり2立方メートルの基準で作られています。例えば、5人家族の家では、家畜小屋やトイレのそばで10立方メートルのメタンガス池をつくっています。それによって、炊事や照明、暖房の必要を満たしています。農家の陳艶群さんはこれについて、「毎日、畑仕事を終えて家に戻ってスイッチをつけると、30分ぐらいでご飯が出来上がります。薪 よりきれいで、時間を節約することも出来た」として、次のように話しています。
「3、4頭の豚の糞は燃料の利用に十分です。以前、薪を使っていたが、煙が黒く、汚くて不便でした。メタン ガスによって、農家の女性が解放された」
炊事するには、黒い煙が立ち、非常に熱くて、家の周辺も家畜の糞と汚水で汚れたり、いたるところに蚊やハエが一杯でした。これは過去の施恩地区の農村の生活環境でした。人々の健康を害していたばかりではなく、燃料として、毎年、百万立方メートルの森林が切られました。
このため、自治州政府は70万ヵ所のメタンガス池をつくる計画を立て、メタンガスの作りに農家に500元から1000元ぐらいの手当てを与えました。現在、この計画の50%以上が完成しました。
メタンガスの利用は地元住民の生活条件を改善しました。恩施市九根樹小学校6年生の斉瑞朝さんは、交通が不便なため、学校に寄宿し、1週間或いは2週間に一回しか家に帰ることはできません。学校には斉さんのような生徒はまだ多いのですが、学校では、メタンガス池をつくる前は、お風呂に入ることは贅沢な考えでした。2006年に学校にはメタンガスを利用する風呂場を作りました。これについて、斉さんは
「周に2、3回お風呂に入ることができる。午後、クラスメートと一緒にバスケットボールをしたりして、汗を沢山かいたあと、シャワーをつかえるようになりました。本当に便利だ」と話しています。
現在、自治州ではメタンガスの利用によって、年間、10万ヘクタールの森林が伐採から保護され、森林のカバー率は67%以上に達し、生態環境が著しく改善されました。恩施市灯篭埧村の肖宏俊さんは「発酵後の残りカスは理想的な有機肥料になるだけではなく、虫害を防止することも出来る。こうして、家の茶畑の収入は毎年、7000元に達し、前より2000元も増えた」と話しました。(翻訳:董燕華)
|